速報→「悩殺ハムレット」柿喰う客
2011.9.18 14:00 [CoRich]
柿喰う客の新たなシリーズ、女優だけで演じられる「女体シェイクスピア」の第一段。90分。25日までシアタートラム。
お恥ずかしながら、ハムレット(wikipedia)、ちゃんと読んだこともないし、実は芝居でも見たことがありません。言葉は現代風にしているけれど、わりときっちり原作どおり。だから原作知ってるゆえの楽しさ、のようなものは実はわからないのかもしれませんが、そんなこととは関係なく、スピーディーで適度に軽くて、しかも登場人物が混乱しない(アタシは実はここがほんとに弱い)ので、実に見やすくて物語がすっと入ってきます。「子供のための」というわけには行きませんが「見慣れない人のためにも」なるシェイクスピアの構成で、すそ野の広さを感じるのです。
言葉は、今の若者の、しかもどちらかというと「チャラい」言葉で構成。チラシににもあるような、ホスト風・キャバクラ風の衣装の構成は、トークショーによれば、ハムレットという物語から「夜」を感じたところからのひらめきだと云います。これもトークショーによれば、少なくなった語彙をリズムやイントネーションでいろんな意味を持たせるというのがイマドキな若者言葉になるし、クラブ風の強いビートの音楽が全体を貫いていて、実に見やすい構成。再構成されていて、カットされた部分があるとはいえ、濃縮された90分。
薄っぺらい言葉を幾重にも圧倒的に積み重ねれば厚みになるというのが、アタシが感じる柿のスタイルですが、物語を原作に依存できる今作においては、むしろ台詞の量そのものは少ない感じ。よりリズムに乗せた感じで、人の悲劇を横から盗み観るようで、でもどこか絵空事のような客観視点でというのも面白い感じです。すっと人物が現れ、すっと消える。目の前で見えるものは、奥行きというよりは、一枚の画のようで、そこに言葉のリズムだったりということで奥行きが増えるよう。巧くいえないけれど。
なんせこの眼福、そこにこの見やすさと、濃密さ。シリーズ化されるというのが実に楽しみになりました。
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