【芝居】「パール食堂のマリア」青☆組
2026.7.18 18:30
[CoRich]
青☆組の10周年(2011年)や、
劇団化5周年(2016年, 未見)など節目で上演されてきた三演め。劇団化15周年記念の一本としての上演。7月20日まで吉祥寺シアター。
120分。ワタシは15年ぶりに拝見します。
路地裏、波止場、繁華街、ガス灯などをぎゅっと詰め込んで、上下にも奥行き方向にも広がりのある舞台は今回も。舞台設定とされる1970年代は本牧地区の返還前、混血の嬰児が埋められたとされる根岸外人墓地を遠く見られる場所だから根岸あたりかととも思うけど、繁華街だから山下町あたり、伊勢佐木町だとちょっと違うもんな、という感じ。横浜生まれだし年代的には近いけれど、このエリアを知るのはずっとあと、返還後のマイカル本牧完成後なので肌感覚としてはよく分かってないワタシです。それでも、有隣堂とか高島屋といった地元を感じさせる単語は嬉しいものです。
例によって初演の記憶は曖昧です。「Mとナナシによって演じられる様々な人々の過去の話」つまり、今は未婚のまま食堂で働く長女の幼い頃に母親が米兵に襲われる悲劇であったり、孤児院につれていかれる混血の女児とその母親の道中であったりの物語が判りにくいと初演の感想に書いていたワタシですが、今作はそんなことはなくてすっきりと。 野良猫を何匹も面倒をみて名前をつけて見送ってきたバーの店主が何十年ぶりに故郷に戻ったり、次女と同僚のほのかな恋心が進展していきそうなのに、男の側の告白にのってその話がなくなってしまうこと、ストリッパーと恋仲の顔役はだらしない男だけれど女を一途に思っているとか、隅々までさまざまな味がしみこんでいるのに、しかし濁ることなくシャープに味わえる舞台の魅力。物語に手をいれたところもあるかもしれないけれど、1970年代といわゆる古い価値観だからこその喜びも悲しさもあるのだとおもうのです。
バー店主を演じたエスムラルダは年末のイベントでの女装ばかりを観てきたけれど、ドレスアップしてない素の感じとの対比が劇中でコントラストになる魅力。(おそらく)三演とも長女を演じた福寿奈央の健気さ、ストリッパーを演じた小瀧万梨子の力強さ。今まではナナシを演じていた大西玲子は女手ひとつで息子をそだてる人懐っこい造型の美容師が新しく。Mとナナシを演じた松本紀保、蓑輪みきも凛とした雰囲気をまとう新しいかたちに。顔役を演じた代田正彦はなかなかにダメな男と終幕での一途さの対比がいい。
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