【芝居】「粛々と運針」iaku
2026.4.17 14:00
[CoRich]
2017年初演、2018年に再演されたiakuでターニングポイントとなったといわれる一作を、新たに上田一軒の演出と新しいキャストによる三演め。95分。大阪をへて三鷹市芸術文化センター星のホールで4月19日まで、そのあと新潟。
新宿眼科画廊やアゴラ劇場に比べるとずいぶん広い舞台に変わった今作、大きなリングを吊り上下させたり手前に傾けてみたりと空間を巧く埋めています。後から思えば、いわゆる生むべきという因習に囚われているようでもあり、斜めに切った竹のように生まれてくる命を象徴しているかのようでもあって、芝居の最中に上下に動いたり傾いたりしていたのは、芝居で語られる内容に応じて変えていたのかなと思ったりもします。
子供を持たないつもりだった夫婦に降って湧いた妊娠の兆候から、産むか産まないかの選択をめぐって分断しそうになりながらも対話を続けるふたりの話。あるいは母親の病気が見つかりフリーターの実家住まい兄と結婚し家を出ている弟の話。これから生まれてくる生命ともう終盤に差し掛かっている生命を象徴する役も配しながら、時に理想、時に現実の厳しさ、時に詩的に綴られる言葉を交えて、ごくシンプルな舞台なのにさまざまな方向に観客の気持ちを飛ばし続ける強さ。
初演再演では同じキャストだったものを一新して亡くなる母親を象徴する役はそれなりの年齢の役者に変えるなどの調整はされていますが、元々強い強度をもつ物語の盤石ともいえる役者陣、びっくりするほど安定していてそして印象もかわらないのです。テキストも演出も調整はされているよう(インタビュー)なのですが、まあそれはワタシの記憶力のザルさゆえにその差異を感じ取ることが出来ず。もちろんそれは不満でもなんでもありません。
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