【芝居】「汗が目に入っただけ」フジテレビジョン+アガリスクエンターテイメント
2026.4.13 14:00
[CoRich]
アガリスクの冨坂友の作演で、フジテレビによるコメディ。「エクストリーム・シチュエーションコメディ(kcal)」と名付けられた2019年に上演(未見)されたフォーマットで物語自体は新作のようです。115分。4月19日まで IMM THEATERのあと、広島、大阪、富山、山形。
58歳の若さでなくなった母親の通夜まであと3時間。兄弟たちがあつまるが、全てを任された長女はキリスト教式の葬儀で準備してきたが、長男は「普通の」仏式の葬儀だと思い込み菩提寺に僧侶を頼んでいることが発覚して揉めている。次男は自分の仕事でそれどころではない。無くなった母親本人は亡霊のように子供たちの様子を不安に思っているが、伝えることが出来ない。
それとは全く関係なく宗教の勧誘に訪れた女には、その母親の姿も見えるし声も聞こえていて、取りなすよう巻き込まれてしまう。
という芝居を上演する人々、役者たちは2チームに分かれていて上演中のカロリーを競うゲームを行っている。
葬式で揉めた兄弟たちに心を痛めた亡くなった母親自身がよかれと思って葬儀をなんとかまとめるべく唯一イタコ的にコミュニケーションが取れる他人を巻き込んで発した少しばかりの嘘が膨らんでいくバタバタを描くシチュエーションコメディという前半はいわゆる芸能人を交えたキャストでいい話に着地させる流れかとおもって見ていました。
突然、ハーフタイムが宣言され、舞台上方に大きなモニターと実況席が現れ、この舞台そのものが「スポーツ」でそれは役者たちの消費カロリーによって決まるのだと宣言されます。ともかく消費カロリーを上昇させればいいかといえば芝居に関係なく大げさすぎても反則行為とみなされる、というルールがあるのだということも示されます。 ワタシは知らなかったけれど、webなどでは「そういうフォーマットだ」と大々的に告知されていて、なるほど物販にイエローカードやらホイッスルやらのグッズが並んでるのはそれかと今更気付くワタシです。
この枠組みが宣言されたあとの後半もいちおう物語は進むし良い話的な着地もするけれど、あとは芝居に関係ないほどに、沢山喋る役者はそれなりにカロリーを使うし、舞台上の役者は台詞がなくてもスクワットしていたり、果ては主演女優が無駄な動きが多すぎるとレッドカードで退場させられてベンチで悔しがってみたりと、その「エクストリーム・シチュエーション・コメディ」のメタ視点の方に重きが置かれて後半は進みます。
試合を半ば放棄するように活動量計を外して「普通の芝居で、競技でなくても芝居は面白い」という着地は芝居に対する優しい目線のウェルメイドな感じですが、いわゆる推し活的な意味で観客側が熱量でマウントを取り合うようなエンタメのありかたが重なるように勝手に感じて面白がるワタシです。
正直にいえば、外側のメタなエクストリームスポーツの内側に内包するものはこういう物語である必要はなく、もっといえば芝居ですらなくてもいいわけでそういう意味では仕掛けが提示されたハーフタイムまでが最高潮に感じるのです。あの活動量計の数値は実際の数値をワイヤレスで取得してるものだったらそれはそれでまた別の面白さがあるしそういうシステムの中身を本当に見てみたい気はするけれど、おそらくそうではなくて、あのエクストリームスポーツ的なものもまたツクリモノなのだという三重構造にしてるのかなぁと思ったりもします。(本当に活動量計の数字をリアルに取得してるんっだら申し訳ない。それならどこかで技術記事が読みたい)
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