【芝居】「テンチュウ」黒船 (かながわ演劇博覧会)
2026.3.6 19:00 [CoRich]
神奈川県演劇連盟が主催し入場無料出入り自由で多くの団体が順番に一時間弱の作品を上演する「かながわ演劇博覧会(えんぱく)」。ワタシは始めて拝見しました。時間の関係で2団体だけ拝見した1本目の「黒船」は4団体の作演をする主宰たち4人によるユニット。
ホームセンターのバックヤードで昼休憩しているアルバイトの中年男たち。男の一人が思いを寄せる女を食事に誘おうとしている。誘おうとしている女は職場の若い女で実は何度も断られているが諦めきれない。二人の同僚たちも少々呆れながらも話を聞いている。
ホワイトデーのお返しというプレゼント包装を抱えて嬉しさ一杯の表情の序盤で始まり、徐々に中年男の少々無理筋な恋物語だということがわかってきます。まあ、実際のところすぐに食事の誘いは断られてしまってからの後半が圧巻で、他のスタッフたちもその女を誘って食事に行ったり恋人っぽかったりというあれこれが次々に明らかになり、まあつまりオタサーならるホームセンターの姫状態なのだということがわかり、更に終盤では「テンチュウ(天誅)」を下そうとなるのだけれど、それはその女に対してではなく、というあたりがスムーズで濃密に楽しい一本。
自分はなんとかその恋を手に入れられるのだという根拠がない、しかし実に脆いプライドをもつ中年男たちの悲哀。 序盤のストーカー気質っぽいあたりは少々危うい感もあるけれど、全体にコミカルに描かれる一本で、フラれてからはさらに同僚の二人が自分が実は食事に誘っているとか、過去に付き合っていたとかを白状するあたりは彼らを微笑ましく良い人と描くどこか暖かい話として描くのかなと思えば、拷問のためといって、シュマロを口に詰め込もう、しかし女には拷問なんかしないと言い放ちそれぞれにマシュマロを握りしめて去って行く三人がカッコイイ。
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