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2026.03.24

【芝居】「海の凹凸」serial number (ex. 風琴工房)

2026.2.27 19:00 [CoRich]

詩森ろばが2017年に俳優座に書き下ろした水俣病支援者をテーマにした作品(未見)を自劇団として改訂再演。130分。3月8日までザ・スズナリ。

1980年代の東京の大学で関係者の手弁当により続けられた市民講座理不尽に出世を防げられても講座を続けてきた助手、大学内に印刷所を設け支えてきた男、横浜からフィルムを借りるために講座に出会い講座を続けてきた女、講座を支える大学生たち、現地水俣に住み作品を発表し続ける女。10年ほど続いたが、問題は解決しないのに講座が終わろうとしている。

水俣病は知っていても、それが社会問題とみなされなくなったあとも「公害原論」と題された公開講座を核に ずっと支援をしていた人々のことは不勉強にも知らなかったアタシです。その時代の流行とも云えた学生運動には間に合わなかった世代、水俣に出会い全力を注いできた多数派とは言えないコミュニティの中で、結果的に一人の天才を囲み運動している気分にはなっているけれど、活動としては跡を継ぐ人材を生み出すことが出来なかった運動の行く末の寂寥。

それゆえに活動の中心にいる人物が離れてしまうことで、集団としての活動が変容してしまうのです。命を絶つ者、生活を変える者、その中である意味では生活を犠牲にし、しかしその理想故に惹かれ合う二人は寂しさを互いに埋めるのではなく、寂しさを理解出来る人が隣に居ることを選び取る終幕は、詩的でロマンティックでもあるのです。

教員を演じた杉木隆幸は序盤の説明から圧倒的な信頼感を得られる人物という説得力。印刷所を営む男を演じた西原誠吾は活動に静かに熱狂ししかし一方で家族への断絶という歪みのある男がとてもよい。串田十二夜のイノセントな学生からいろいろ清濁呑む大人への一歩という成長の解像度。

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