【芝居】「夜の横顔」ジャブジャブサーキット
2026.1.17 18:00 [CoRich]
岐阜の劇団、ジャブジャブサーキットが創立40周年、(東京などへの)ツアーとしてはファイナル、という区切りと次への一歩の公演。 100分。三重からスタートし1月18日までサンモールスタジオ、そのあと2月に大阪。
古い神社や不可解な遺構が点在する離島の小さな宿泊施設。卒業研究のフィールドワークのための教授とゼミの面々と、 一度は賞を取ったものの長い間書けずにいる作家が泊まっている。 島に住むものは、夜市で新鮮な食材を手に入れたりして、宿泊客をもてなしている。
住人たちが守り続けてきた伝統と、学術的な探究心からフィールドワークを続ける研究者、あるいはこの場所に目を付けた 俗世間の欲望、世間から断絶されたここで執筆をしなければならない想いを抱えた作家などのそれぞれの事情と思惑が 並行して進み、ときに交差する物語。
海流の関係でかつて死体が流れ着いてきた島だったということが伝統に隠され、消えた人間の行方がどうなったか、二つある神社ゆえの巫女の亡霊や口寄せといったオカルトめいたことを絡めて、日本兵の亡霊まであらわれ、現実のすぐ横にある地続きのファンタジーとをあくまで静かにフラットに描くのはジャブジャブ風。かつてワタシが勝手に感じていた多くの知識や雑学を仕込んだスノップ風味はだいぶうすれて、シンプルな謎をベースに明確には語られないけれど、夜市の正体といったこの島の持つ影の部分があるのだと気付くと、ああそうか、だから謎の兼業があったりするのか、と唸るのです。
並行して進むのは外界からの干渉を拒絶してきたから残された自然、そこに目を付けたリゾート開発の存在といったほんとうに俗っぽい話。イキりや恋愛感情が絡む若者ゆえの物語への作家のどこか優しさやある種の憧憬といった感情を感じるワタシもまた、彼らのあれこれが眩しい。
もう一つの物語である作家の話、書けなくなったのは妻を亡くしてから、ハッパを掛ける編集者との物語はどこかメロドラマ風でもあって切ないけれど、これもまた俗っぽさになって対比ともいえるのです。
書けない作家を演じた栗木己義や大学の教師を演じたコヤマアキヒロのフラットな人物が気持ちを動かす瞬間の解像度、東の神社の巫女を演じた咲田とばこは軽やかでファンタジーの説得力。女将を演じた荘加真美の人懐っこいオバサン風が安心感。口寄せできる学生を演じた林優花はちょっと颯爽としていてカッコイイ。
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