【芝居】「怪力乱神ヲ語ラズ」劇団肋骨蜜柑同好会
2025.12.27 19:00 [CoRich]
肋骨蜜柑同好会の新作。140分。12月28日までシアタートップス。
ミッション系の女子校。全校集会で多くの生徒が気を失う事件が起こる。その数ヶ月前から公開で黒いコートに帽子、分厚いノートをもった不審な男が目撃されたという噂が出ていて、やがて 悪魔を見たという生徒が現れ、教師たちも生徒たちもそれぞれの立場で対策したり謎を解こうとしたりするうち、教師や生徒たちが次々と姿を消す。
「黒いコートの男」という世の中に繋がれるはずだった作家の絶望を詰め込んだ創作ノートが、 もう一人世の中に絶望していた養護教諭の手に渡ったがゆえに始まる絶望が絶望を呼ぶ物語を学園ホラーにミステリー風味で。
教師たち生徒たちがそれぞれもっている不満であったり人や社会に対する違和感だったり、はては思春期特有の拗らせ方だったりがマグマのようにたまっているのに外面では平穏な日々を暮らしているところに現れた怪奇現象が、互いの魔女狩り的な排除を噴出させた、という印象で、 ミステリー的な謎解きがなされたというよりは、なるべくしてなった惨状と、それを冷徹に見つめる作家の視点を強く感じるワタシです。
養護教諭の手からノートが離れ、次々に人の手にわたり、どこか暴走してしまったような世界は、二人の女子高生に託されます。 それは「二人だけいれば世界はどうなってもいいか」「たくさんの人々の中で二人で生きていきたいか」という対立は女子高生的な極端な友情のありかたの二項対立な感じにも。
登場人物が多いゆえの群像劇的な様相かと思うと、あれだけ細かく描き混まれたそれぞれの人々の世界が一人の絶望から混沌としたとはいえ、始まっても二人の友情に集約されどこか丸め込まれてしまったという感じがしないでもないのはちょっと惜しい気も。
好かれ続ける女生徒を演じた森かなみはどこかボーイッシュかっこよく。補導されたことのある女生徒を演じた池島はる香は頼りになる姉貴な風味。理事の娘を演じた加納遥陽は思春期の暴走という怖さをしっかり。民俗資料館の学芸員を演じた丸井山覚は人懐っこい感じで、緊張感溢れる今作ではいい意味での弛緩を一人担っていて印象的。養護教諭を演じたハマカワフミエは儚げに見えて不幸を背負い込んで世の中を逆恨みしてノートという力を手に入れてモンスター化する落差が凄い。
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【イベント】「劇作家フェスティバル岡山『げきじゃ!』」劇作家協会(2026.02.07)
- 【芝居】「さらば曽古野遊園地」アガリスクエンターテイメント(2026.02.14)
- 【芝居】「夜の横顔」ジャブジャブサーキット(2026.02.14)
- 【芝居】「gaku-GAY-kai 2025 贋作・真面目が肝心」フライングステージ(2026.02.03)
- 【芝居】「怪力乱神ヲ語ラズ」劇団肋骨蜜柑同好会(2026.01.24)


コメント