【芝居】「わかろうとはおもっているけど」贅沢貧乏
2025.11.14 19:00 [CoRich]
2019年初演作を再演。75分。11月16日まで東京芸術劇場シアターイースト。そのあと福岡、北海道(も終演済み)。
同棲している男女の何もないと思われた日常。女が妊娠を告げ、男は祝福するが、女は妊娠で変わってしまう自分の生活に対して、男が人ごとのようにしてると感じて、気持ちの整理が付かない。女の友だちが訪ねてくる。恋人に暴力を受けたトラウマがあるという。
スタイリッシュな西洋絵画のような見た目に、何かの寓話のようにチクリとくる棘をしのばせた物語の雰囲気はそのまま。初演のBUKATSUDO HALLからはずいぶん劇場が広くなったけれど、客席から感じ取れるものはあまり変わらないというのは、声を張る芝居ではないだけに、実は役者の力量が出てしまうところ。青年団の役者が出ていたりして、これもまた現代口語演劇(というのももう言われて随分経つけれど)の系譜の確かな力だと感じるワタシです。
妊娠を巡る女性と男性の立場の戸惑いと苛つきを少し戯画的なのにリアルを感じさせる物語はそのまま。妊娠というもの、を自分の家族の話として感じることはおそらく無さそうなワタシで、ほんとにリアルに感じられるのかは怪しいけれど、それでも想像することのフックになるのはこの物語とフォーマットのちからなのだと思うのです。
酔った恋人との間のセックスが恋人であれレイプに感じられること、というしては初演のときに観ていたのにすっぽり抜け落ちてたワタシです。ああ、これは確かに怖いと、あらためて。
6年前の初演から、作家はドラマの脚本(NHK「作りたい女と食べたい女」)であったり、あるいはラジオの出演 (YouTubeの公式配信)などメディアで振れることも増えてきた作家だけれど、若い作家が6年も前にここに到達していたことの凄みのようなものを改めて感じるのです。
ロビーで観客が感想を付箋紙に書いてボードに貼り付けていく、というのは面白い試み。誰に読まれるか判らない上にアカウントという個人に紐付いてしまうSNSとは違って、読んでいるのは確実に芝居を観た観客たちであり、しかも匿名性を確保してコミュニケーションのフックになるかもしれないと可能性を感じるのです。
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