【芝居】「エキスポ」麦の会
2025.11.15 18:00 [CoRich]
2001年に中島淳彦の道学先生の公演として初演されて以来、多くの上演がされてきた人情喜劇のスタンダード。 ワタシは ハイリンドや トローチ の上演を拝見しています。麦の会としては昭和百年の特集上演として。
宮崎の小さな町、しっかり者で昼も夜も働く母親を亡くした家族の通夜。見慣れない顔も含めて大勢あつまっている。しっかりものすぎて、夫も子どもも頼りない。連れ込み宿で働いていた母親の日記に
人情喜劇に昭和高度成長期ノスタルジーを併せ持つ一本。大きな家の通夜、客たちの居る広間とは別の、ちょっと裏側の小部屋という風情の場所で、いわばこの通夜の「楽屋」とも云える場所で、居なくなった母親への思いやそれぞれの家族のダメさ加減を含めた愛おしさを描きます。
一つに束ねていたのが亡くなった母親で、実際のところ家族のそれぞれの思いは実はバラバラであること、それはたとえばこの土地への愛着だったり、逆にこの土地を嫌っていたり。よく知らない他人が紛れ込むのが通夜で、ちょっとした謎があったりするけれど、実際のところ、総体としてこれらの人々が集うような母親であったのだ、ということこそが描かれる温かな話。
その象徴として、(70年の)万博へのツアーを申し込んでいたという母親の思いもあるし、「進歩と調和」が無条件に明るい未来を信じることが出来た幸せな時代を背景にした、ある種のファンタジーにすら感じてしまう昨今のワタシなのです。
それぞれの場を一つ一つ切って、タイトルを出してつなぎ合わせること、あるいは2時間ほどの上演時間でも休憩時間を設けるなど、芝居を見慣れない人にとって見やすくするのは劇団の客層にも合わせる感じで優しい。
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