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2025.12.05

【芝居】「妄想コピー / river」螺旋階段

2025.10.25 18:00 [CoRich]

小田原の劇団。国府津の海辺の会場・BLEND PARKで。60分、休憩15分、50分の構成で短編ふたつ。10月26日まで。

弁護士のオフィスに女が訪れて弁護士と見習いが応対する。 女は子どもの頃の話から、産んだ子どもを愛せずにいたけれど、土手に子どもを置いてきたことは意図したことではない。「river」
人気作の兄弟で書いている作家のオフィス、ヤクザが怒鳴り込んで来る。作家が密着して取材したことをそのままあからさまにわかる形で小説にして出版したことに怒っている。「妄想コピー」

「river」はコミカルな弁護士と見習いから始まってずっとふざけている序盤。関西や福岡の口調など、ふざけている会話に徐々に物語が編み込まれます。父親のせいで追われるように引っ越していた子どもの頃、離婚して母親と暮らしたけれど生活の苦しさゆえにいい思い出がなく、母親が亡くなってからは仕事をして自由になる時間も金もあって楽しかったのに、子どもが出来てからはそれが変わってしまうという物語の枠組み。

男性だけれど、女性の側の不安や不穏を解像度高く描き出せるのはこの作家の強みだと改めて感じます。これだけ語られ、こうなるしかなかったのだという母親が背負ってしまったのは、ぼおっとして残してきてしまった息子が川に落ちて亡くなってしまったという自責なのです。

以下ほぼ全編ネタバレになってて申し訳ないけれど、この終盤からの急転直下が面白いのです。

ここからそのまま終わらない急転直下、弁護士事務所だと思っていたこの場所は三途の川の横、子どもも母親も向こう側に渡していいかどうかというのが彼らの仕事だと明かされます。ここから亡くなっている側の息子の目撃証言やこの母親の父親も母親も向こう側に居るのだということが救いに感じるワタシです。

「妄想コピー」は兄弟の作家に怒鳴り込む(モデルとした)ヤクザ、という三人の男たちの会話劇。自分のリアルを描いてほしいというヤクザ側のエゴとと作家の間の駆け引きのバランスオブパワーの物語。刑事になれそうだという雰囲気やフィリピンパブの女性、あるいは世界も宇宙も救うというどんどん広がるのです。

終盤で大きく動く物語。三人居るはずなのに、実は作家は兄弟じゃなく一人、もしかしたらヤクザも存在しなくて、一人の作家の頭の中で動かしている、たった一人の部屋に見える気がするワタシです。

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