【芝居】「発表せよ!大本営!」アガリスクエンターテイメント
2025.8.15 14:00 [CoRich]
2019年の駅前劇場での初演作を再演。ワタシは初見です。8月17日までシアターサンモール。130分。9月1日から21日まで有料のアーカイブ配信(Confetti)があります。
1942年6月、ミッドウェー海戦の戦果が大本営に伝えられたが、思わしくない結果に内部で動揺が広がる。海軍作戦部は士気の低下を招くとして被害を少なく、戦果を多く発表するようにといいだす。いっぽう軍務部はあくまで正確な情報を伝えるべきだという。間に挟まれた報道部は原稿の落とし所を探った末、縮減した原稿を作成する。陸軍は独自に正しい戦果を入手していて、それを手に入れた新聞記者は大本営発表が正しいものであるか疑問を抱くが、大本営は記者個人に働きかけて、結果、縮減された大本営発表がなされてしまう。
町の甘味屋では学生が看板娘に一目惚れしている。学生の幼馴染みは自分の心を伝えることができず、後押しをする。看板娘にはかつて許嫁がいたが、南方で命を落としていることを知る。
設定されたトークショーによれば、いわゆる公表された「大本営発表」はミッドウェー海戦の発表の前のぼんやりした潜水艦の戦果も含めて史実どおりで、内部で数字の改竄のための部署内の対立があったというのも史実のようです。その史実を骨格に、なぜか市井の人々の小さな恋を描いたりしつつ、内部であったであろうドタバタをあくまでコメディとして描くのです。全体がコメディと聞いていたとはいえ、ミッドウェー海戦といえば大敗を喫して大本営発表に改竄が行われるようになった起点で、戦後になった今ふたたび亡霊のように改竄が日常茶飯事になってしまっているということ、つまり現在の「新しい戦前」につながっているわけで、目の前のドタバタでこれでもかと笑いを詰め込んで客席が沸いていても、どこかそれには乗り切れないワタシなのです。とはいえ、この題材で堂々とコメディとして描き、しかもそれを戦後80年の敗戦の日めがけて上演するという心意気は堪能するのです。
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