« 【芝居】「Venus誕生 第二幕」劇団Venus | トップページ | 【芝居】「残響」白狐舎+下北澤姉妹社+演劇実験室∴紅王国 »

2025.08.06

【芝居】「残響に沈んでゆく」螺旋階段

2025.7.20 18:00 [CoRich]

小田原と横浜で公演を続ける螺旋階段の新作。老舗のうどん屋を舞台に舞い戻った長女を巡る130分。7月21日まで、神奈川県立青少年センタースタジオHIKARI。

老舗のうどん屋。店主は妻を早くに亡くしていて、長女も家を出たきり顔を見せない。次女とその夫が店を手伝い、地元のローカルテレビ局にもとりあげられて店は繁盛している。
棟続きの家の広間。パートが休憩していたり、詩人ニートと嘯く長男や顔なじみの常連客まで顔を出したりしているいつもの昼休み、突然長女が戻ってくる。

しっかりと建て込んだ日本家屋風の広間、手前に縁側、奥に廊下で、下手側が店舗、上手側に住居、という仕立て。大きなちゃぶ台。序盤は、軽口を叩きながら、コミカルでスピーディな会話で手早くしかしくっきりと人物を造型。 店主である父親は職人だけれど、どこか女にだらしなく、次女は店を支えているし、その夫は職人として入り婿になっている????? パートのおばちゃんたちも楽しく働いているし、出入りの業者との関係も良好で、いわば全てがうまくまわっている、という雰囲気。

長女が突然戻って来て、口は悪く傍若無人な振る舞いで、家業を支えてきた自負がある次女こそ明らかに嫌っているものの、ほかの皆は扱いに困る感じなのに、後から思えばどこか腫れ物に触るようで踏み込めないのです。が、すぐにはその理由は明かされません。 中盤を超えて、かつて大雨の中、母親と長女が防波堤に出かけずぶ濡れで戻った長女が「母親を殺した」といっていること、その結果小学校を代わりどこかに引っ越していったことが語られるものの、何があったのかは明確には語られません。自分の罪が家族に及ばないように姿を消したということのようで、長女自身は次女のことも、詩人ニートたる弟のことも心配しているということが見えてきます。序盤で中盤と、女にだらしなく、女を見る目がない父親、というほぼコミカルにしかならないと思われる要素が、この物語のすべての始まりであったことに、作家の隅々まで広げた伏線に唸るワタシです。

長女を演じた村井彩子はヒールで居続けるのにしかし人たらしで新しい人にはすぐに馴染む造型をしっかり。店主である父親を演じた露木幹也はコミカルな駄目オヤジな造型だけれど、この物語の起点ともなるバランスの難しいところを細やかに。取り仕切る次女を演じた竹村果夏はここに居続けた人の強さ、その夫を演じた根本健は振り回される感じが時に可愛らしく。詩人ニートの弟を演じた須藤旭のキャスターへの恋心も可愛らしく、詩人というキャラクタもちょっといい。 経理を担う従業員を演じた木村衣織はちょっと守銭奴なキャラクタをコミカルに、パート従業員を演じた岡本みゆき、田代真佐美のいわゆるおばちゃんの噂話やら昔話のリズムが心地いい。常連客を演じた水野琢磨は借金しがちなダメ男を愛らしく。テレビキャスターを演じた影島沙絵はいわゆるモテそうな女な造型。製粉所の配達担当を演じた森海雫は爽やかにみえてなかなかチャラい軽薄な男をペラペラに(いえ、造型が。褒め言葉)

|

« 【芝居】「Venus誕生 第二幕」劇団Venus | トップページ | 【芝居】「残響」白狐舎+下北澤姉妹社+演劇実験室∴紅王国 »

演劇・芝居」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 【芝居】「Venus誕生 第二幕」劇団Venus | トップページ | 【芝居】「残響」白狐舎+下北澤姉妹社+演劇実験室∴紅王国 »