【芝居】「いつだって窓際であたしたち」ロロ
2025.6.22 17:00 [CoRich]
2015年から2021年にかけて創作された高校を舞台とした連作群像劇シリーズ。10作になったのを機会に改めてキャストを一新し上演する公演。シリーズの最初となる今作は2025年・2018年に上演しての三演めですが、ワタシは初見です。6月22日まで武蔵野芸能劇場小劇場。高校演劇のフォーマットどおり、舞台のセッティングと本編含め60分。
昼休み。毎日崎陽軒のシウマイ弁当を食べている男子生徒は、席を他クラスから校庭のミニチュアを持ち込んで眺めている女子生徒に占拠されて言い出せない。女子生徒は校庭を走り回る人気者の男子生徒を見ている。その幼馴染みが別のクラスから遊びに来ているが彼女らしい。 カーテンにくるまった女子生徒二人はその場所が気に入っていて、いろいろ噂話をしている。一ヶ月学校を休んでいる同級生は今、富士山が見える山梨あたりにいるらしくて、迎えに行こうか盛り上がったりしている。
何本かは拝見しているものの、それほど熱心には追いかけて来なかったワタシです。 窓枠にカーテンがついた壁(の骨組み)をキャスターで動かし、その向こう側に教室の椅子と机が4組下手側を向いて。校舎の外側から教室を眺めるような視点だけれど、壁は骨組みだけなので、様子はよく見えるし、校庭を眺めているというシーンこそが客席を向くような感じ。役者たちは決して高校生の若さというわけではないけれど、幼くキャピキャピだったり盛り上がったりみたいなところも、引っ込み思案な感じもどれも高校生という感じの群像劇な仕上がり。
昼休みの学校という日常だけれど、いつもとはちょっと違う友だちと、旅に出ている友だちが居る富士山・山梨に想いを馳せて、それを想像すること。そこに手許のスマホのストリートビューで同じ足跡を旅行するというのが今っぽいし、友だちと昼休みの短い時間で一緒に空想の旅に出かけていくということの説得力も持ちます。日常から空想の先、ここではないどこかを夢想することの楽しさと、それを受け入れる柔軟さ、つまり若さ。終幕では窓枠と机の関係を反転させることで屋内からの視点でそこに吹き抜ける風が、どこか別の場所に連れてってくれた感が客席にも感じ取れるよう。なるほど軽快で、爽やかな終劇。
シウマイを食べたい自己肯定感の低い男子生徒を演じた稲川悟史、導かれ開いていく感じが爽やか。箱庭を持って歩き工程を眺めている女子生徒を演じた土本燈子はどこかクセ強にみえつつ奔放で自由で、どこかに連れて行ってくれそうな力強さ。トラックを走る男子生徒を演じた竹内蓮、その幼馴染みにして彼女を演じた小川沙羅は誰とでも話せて人気者な造型、他の生徒たちと対比する形でいわゆるカースト上位な陽キャだけれど、それが対立という構造ではないのが優しい。 カーテンに包まり噂話が好きな女子生徒を演じた端栞里、三上晴佳もまた(ワタシにとっては既に遠い)高校の教室の風景の自然さ。ノリで不登校の友だちを追いかけて旅に行くか、と言ってそれに不覚にも乗ってしまうのにハシゴを外される感じも、若さゆえの軽薄さで眩しい。
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