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2025.06.27

【芝居】「シホウドウセキ」日本のラジオ

2025.6.5 14:30 [CoRich]

日本のラジオの新作、95分。6月8日までインデペンデントシアターOji(王子小劇場)。

6年続く4つの暴力団の抗争に手を焼く警察は、極秘裏に各暴力団の幹部を集めて話し合いをさせて落とし所を探ることを決める。

2019年の「暴力団版ナイゲン」(未見) に続くというノワール会議劇、だといいます。「朝ナマ」風に登場した人物たち。正方形のテーブルの四辺に4つの組の代表者と、その後ろに警察の担当とのペアにして、組同士、警察同士、ペアの暴力団と警察同士が互いに潰し合ったり、なれ合ったり。舞台奥には国会議員、警察のエライ人、ビルオーナーが並び、残り三辺を客席が囲んでその真ん中に菱形に置かれた机で繰り広げられる攻防劇を眺めるのです。

元々の最大の勢力、元カタギの新しい形の対抗勢力、取り入ろうとする弱小の新興勢力、様子をうかがう最大勢力からの分派。対抗勢力を抑えようと新興勢力をけしかけたことに端を発する抗争が長引いた末の話し合いは、それぞれのメンツと引き際をめぐっての丁々発止。やったやられたをメンツを潰さず解きほぐすのは容易ではなくて、誰が始めたかを責めることを諦めても、ダメージを受けたところへ勝ったところが補償するのではどうかというのも、「負け」を認めることで潰れるメンツをどうするかで結論に至りません。金よりは引責を持ち出して、きな臭さは一段深みにはまり、この抗争をそれぞれの組の内部抗争に利用したりコレに乗じて密輸というシノギを警察に見逃すように頼んだりと、整理されたんだか混乱が進んだんだかわからないまま。

このカオスな状況を解決するのは、四つの組をまとめて警察が監視できるようにするためにひとつのビルに入居させるという無茶な案で、この場に唯一いる「カタギの民間人」に全てを押しつけるという無茶振り。マンガのように荒唐無稽な案の筈なのに、微妙にありそうな話に感じさせるリアリティだし、物語がすとんと落ちる気持ちよさ。

構成員であるというだけで、家族とアミューズメントパークに行くだけで逮捕されたり、自分の子どもがカタギの子どもと親友であることを打ち明けられなかったりといった、いわゆる「反社には人権はないのか」を折り込む話が組み込まれていて奥行き。おもにその部分を背負う弱小暴力団の若頭代行を演じた安東信助が飄々とした造型で目が離せません。最大勢力の幹事長を演じた山城秀之の狸親父っぷり、新しいヤクザたる舎弟頭を演じた笹井雄吾のインテリやくざ風、役名のサカキはポケモンのあれか、みたいな楽しさ。千葉の分派の若頭補佐を演じた吉岡そんれいのクセ強のしたたかな感じも楽しい。警官たちもなかなかの癖者で、岡野康弘や古屋敷悠が古くからなれ合ってる感、若く跳ねっ返りな感じもある日野あかり、別県警ゆえの姿勢の違うなれ合いなシオザキなど。ちょっとお花畑な雰囲気の理事官を演じた沈ゆうこの不思議ちゃんな感じのキャラクタは珍しい。政治家秘書を演じた日野あかりは少しカタギ視点で面白がりつつツッコミとして重要な役をしっかり。もっともカタギで、損な役回りを担う國枝大介の悲哀すぎないちょっとコミカルな感じ故に救われたり。

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