【芝居】「夜明けのジルバ」トローチ
2025.2.23 17:00 [CoRich]
11年目で7本目となる トローチ(1, 2, 3, 4, 5, 6) の新作。久々に太田善也の作演で。120分?3月2日まで赤坂RED/THEATER。
マンガ喫茶。地元の人気シェフ、地元からでたミュージシャン、資産家の女と付き人、地元の鼻つまみ者な男、常連客の女、初めての客。大雪の日の夜、閉じ込められている客たち。探偵も客として訪れている。鼻つまみ者な男が死んでいるのが見つかる。近くの駐在はすぐに来たが応援の警官は朝まで来られない。
オーバーな仕草で気取った探偵、癖が強めな客たちの(半)密室ミステリー。吐瀉物を喉に詰まらせた事故死と思わせつつも、その死んだ男が探偵にだけ見える幽霊となって現れる、というのが一筋縄ではいかない太田善也節。 特に前半で要素が多めどころか過剰な感じもまた、作家の雰囲気で楽しい。 ちょっとミステリー風味の白い仮面とか停電とかを交えながらも、それは敵が多い別の男を殺そうとして起こった悲劇なのだということがわかります。地元ゆえの濃密な人間関係から、その男がどうして恨まれるに至ったか、コミカルに運んでいた前半とはうってかわっての後半は、登場人物たちの多くがかかわる自殺した女を鍵にして繋がるさまは、まさにミステリーの様相。
殺された男を演じた今井勝法はこの手の癖強人物が多い役者ですが、ペーソスともいえる悲哀を滲ませ、幽霊という特殊な立ち位置をコミカルに。 探偵を演じた東地宏樹のオーバーな仕草のキレキレなステロタイプ。一作目にしてもうシリーズ作品の何本目かのような問答無用の説得力。地元の常連の女を演じた小林さやかはジャージ姿の華の無さがコミカルでしかし地に足がついた感じ。店員を演じた荒波タテオは少しとぼけた味わい。駐在を演じた辻親八は後半に見せる泣かせる芝居の説得力が凄い。公演直前に代役として入った資産家の女と付き人を演じた山像かおりと磯部莉菜子の違和感のなさもすばらしいのです。
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