【芝居】「式 三部作 第二話 『追悼式-まほろ汽船サンバード号 編-』」studio salt
2024.11.3 18:00 [CoRich]
スタジオソルトが「式」にまつわる物語の三部作、去年に続く二つめ。75分。11月4日までラゾーナ川崎プラザソル。
客船の沈没から15年経った追悼式の会場。久々に顔をみせた遺族が包丁を持って会場を閉め切り立てこもる。
沈没が迫る客船、広間に集められる乗客、ここに留まるようにと指示をされたりしている。
閉鎖された空間を、立てこもり犯が居る追悼式会場と、沈没直前の広間に見立てて、するりと入れ替えながら進む物語。正直にいえば、多くの人々が少々唐突に話し始める話題がバラバラで、戸惑う私です。徐々に、無理矢理にでも促されるうち、今朝食べたものを話したりすることが多くなります。年嵩のじいさん二人がいがみ合い、張り合うのに、それぞれの朝食の描写。片方は干物を添えた和食、もう片方は妻が焼いたパンと挽いた豆で淹れたコーヒーや喫茶店をしたいという夢。それぞれに繊細でしかも、その描写の美味そうなこと。
そうだ、ソルトの作家は「食べること」を大切に描くのだということを改めて思い出すのです。かつては舞台で必ず消え物を使っていたり、その会場でそのまま宴会したり、なんてことも遠い昔のはなし。いろいろ難しい昨今なのです。
盲腸のように回収されない物語の切れ端がいくつか。たとえば追悼式会場の立てこもりのキッカケと思われ、会社側も噂としては認識している陰謀論は、なぜその場に留まるように社長が言ったとされるのか、なぜ船は引き上げられないのか。副社長は何度か告白しようとして止められ、しかし語られずに終幕。どこかで見かけた感想でも、日航機事故やセウォル号沈没事故に紐づけて滔滔と語ったりしてるのがちらほら、なるほど立てこもり犯はこういう感じで信じちゃうのか、と思ったり。
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