【芝居】「シハイスミレ」Q+
2024.11.2 15:00 [CoRich]
劇団Q+の新作。65分。楽園。
無人駅の待合室。大雪で列車が止まり、身動きが取れなくなった乗客たち。大学生、地元旅館の娘、地元から出て行きたい女子高生、金沢に嫁いだ女の妹と父親。薬売り。金沢や東京に行かなければならない人々。
偶然で居合わせた人々が豪雪で身動きがとれず待合室で話すうちに見えてくる人々の背景や思い。そこに列車を動かすために自己犠牲とも語られる行動をとった実在した鉄道員の話や、宗教ゆえに避妊も中絶も許されず命を落とした妊婦を物語に織り込むなど、キリスト教にまつわる見方や考え方が多く散りばめられるのが印象的。地元を出ていきたい女子高生が「自分の描いたものを見てくれる、まだ見ぬだれか」がいる場所として東京に出ていく、というのはある時代までの地方のリアルでもあって、この登場人物たちの中でもっとも若い人物ゆえの眩しさ。
実際に起きた五六豪雪をモデルにしているらしく、北小谷(きたおたり)という駅名も長野県を走る大糸線の実在する駅で、松本に住んでいたワタシにはちょっと身近な物語。もっとも、この区間は電化されていないのでセリフにある「電車」は走らないよなぁとか、松本方面はともかく、金沢方面といういい方この駅でするだろうかとか、余計なことが気になってしまうのは痛し痒し。
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- R/【FORKER】遊気舎(1999.04.24)
- 【芝居】「gaku-GAY-kai 2024 贋作・桜の園」フライングステージ(2025.01.12)
- 【芝居】「ケレン・ヘラー」くによし組(2025.01.11)
- 【芝居】「幻の壁」螺旋階段(2025.01.11)
- 【芝居】「おわるのをまっている」贅沢貧乏(2025.01.05)
コメント