【芝居】「オーロラのコメッツとアトミックハーツ」沸騰100g
2024.10.13 11:30 [CoRich]
長野県茅野市の社会人劇団。35年目にしてまつもと演劇祭に初参加。10月13日まで上土シネマ。
西部の酒場、賞金首を追う男が訪れる。常連客と決闘し勝つが、さらに女の賞金稼ぎが現れる。決闘をするが、銃で撃っても当たらない。時空をゆがめて弾道を散らす特殊能力を持っているのだ。
最終兵器、「眠り姫」の発射施設、隕石の飛来を誤検知して自動応答システムより発射命令が下されるが、係員は発射キーを回すことを躊躇するが、もう一人は命令遂行し、多くの「彗星」が発射される。
地球を救うための戦いが静かに始まっている。
大まかにいえば、最終兵器が発射され滅んだ世界線と、それを阻止するために時空を歪める能力を持つストリートハンターを集めるための西部の酒場での決闘を織り交ぜながら、小ネタ満載のあくまでコメディとして成立させるのです。旗揚げ35年で、初期メンバーがどれだけ残っているのかは判らないけれど、きっとワタシのような50歳台後半ぐらいの人々はだれもが少しは聞きかじってきたSF風味が満載で実に楽しいのです。劇団の過去公演情報を見ると鴻上尚史から野田秀樹、オリジナルと思わしきものまで多彩で、これを35年「社会人劇団」として続けてきた厚みがあるのに、こんなに軽快で洒落ているのに泥臭さもあるコメディをちゃんともってくるところ、凄いことだと思うのです。
いろいろ小ネタを織り交ぜるのも楽しく、哲学としてよく引き合いに出される「トロッコ問題」とか、シュレーディンガーの猫、はては料理の蘊蓄では「ちらし寿司は祈りの料理だ」というパワーワードや、西部だからチリコンカン→刑事コロンボの豆知識、オーロラソースなるものの偏愛を語るのはコメディとしての楽しさを補強します。さまざまな物語を重ねた上で、最後に時間軸的には一番過去にあたる、最初の二人の出会いで終幕というのも、ベタだけれど、綺麗で巧いのです。
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