【芝居】「青色文庫‐其五、夜長月の童話集‐(B)」青☆組
2024.9.15 14:00 [CoRich]
古民家で上演していた劇団のリーディングシリーズを久しぶりに。小川未明原作の月を巡る三篇プログラムAから。55分。9月16日までアトリエ春風舎。
国境を隔てた老兵士と若い兵士。平和な日々だったが戦争が始まり「野ばら」(青空文庫)
子どもが行方不明になりずっと待ち続けているアザラシ。風に訪ねたが返事はない。月は気にかけている。「月と海豹」(青空文庫)
一人で暮らす老婆。ある夜、メガネ売りの男が戸を叩く。ぴったりのメガネを手に入れたら何もかもがしゃっきりと見えて。「月夜とめがね」(青空文庫)
「野ばら」は2015年にも上演したレパートリー。ごく短い物語で、ワタシはどちらかというと昼間の印象が強く、月という印象があまりない一編なのだけど、終幕の夢のあたりが月ということかなと思ったり。
「〜海豹」は子を失い待ち続けるアザラシを見守り続ける月の話。「さびしいか」と問いかけ、ずっと心に留めてくれる者がいることの有り難さ、じっさいのところ、子供が戻ることはないけれど、些細なことでも、生き続けるキッカケとなるものを手にすることの希望が温かいのです。
「〜めがね」は、月夜に訪れたメガネ屋から買ったメガネによって起こった、ちょっとSF風味な物語。ぼんやりと見える世界で少女と思われていたものが、メガネをかけて鮮明にみると、それは綺麗な「こちょう」(胡蝶)だったという世界がぱっと変わって見える感覚は、メガネというツールだからこその不思議さで、それは時代が変わった現在でも新鮮に感じられるのです。どの作品もそうだけれど、環境音などのSEも含めて役者たち、というミニマルさが潔い。
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