【芝居】「青色文庫‐其五、夜長月の童話集‐(A)」青☆組
2024.9.15 18:00 [CoRich]
古民家で上演していた劇団のリーディングシリーズ。プログラムAは鳥二篇と題してオスカーワイルドの切なさあふれる短編。70分ほど。9月15日までアトリエ春風舎。
恋のさえずりと言われるナイチンゲール(小夜鳴鳥)は、名前に反して恋を知らなかった。恋をしている哲学の学生をみて惹かれる。その学生は教授の娘に赤いバラをプレゼントすれば踊ってもらえると思い、その思いと汲んだ鳥は季節外れの赤いバラを探すがみつからないが、心臓に棘を刺し歌い続けて赤く染め上げれば手に入るのだという「小夜鳴鳥と赤い薔薇」
街の真ん中に立つ王子の像、越冬に出遅れた燕が一夜泊まるために王子の像の足元に降り立つ。王子は貧しい人々に自らに埋め込まれた宝石を運ぶように燕に頼む。「幸福の王子」
「小夜鳴鳥~」片想いしている学生の恋を成就させるために、命を賭けて季節外れの赤い薔薇を手に入れるナイチンゲール(という鳥)、赤い薔薇を手にした学生の恋はあっさりと敗れてしまうのが、階級の格差で隔てられたゆえ、というこんなに短い物語なの人間と鳥、苦学生と上流階級という二つの溝が隔てて伝わらない想いがとても残酷で。トークショーでは「命がけで作品=バラを作っても報われない」という作家側の視点での感想(倉迫康史 / Theatre Ort)も、ああなるほど。そうだよなぁと思ったり。
「〜王子」は2011年、2012年の上演からなので、青色文庫としては久々に拝見。ごく知られた物語だけれど、終盤近く宝石を失った王子像をめぐるごたごたの物語がすっかり抜け落ちているワタシです。ここ以外にも随分みてるはずなのになぁ。
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