【芝居】「THE STUBBORNS」THE ROB CARLTON
2024.10.5 18:00 [CoRich]
MITAKA Nextとして選ばれた二本目、初見の劇団です。80分。そのあと大阪ABCホール。なるほど三鷹は公共のホールだからチケット代がだいぶ安い、なんて思いつつ。
ホテルの会議室で会話する三人。西洋人らしい感じだけれど、母語がバラバラで、共通で使える言語として慣れないけれど日本語で会話する。社長の息子、政治家にフックアップされた男、上司に連れてこられた女。それぞれのボスが妥協点をみつけられそうにないと考え、三人だけで集まったのだ。
前半の構造は、慣れない日本語の聞き間違い、言い間違いが誤解を生む話で、日本語が母語ではあり得ない誤解を生むために外国人設定なのです。ほぼどこでも共通語として用いられる英語ではなく、日本語という無茶設定は咎めないのがお約束です。(交渉のため)「隙を見せない」と「好きをみせない」(好きなのに告白できない) から始まり、「呆れている」と「ほうけている」(=惚れてる)に至るまで、無茶な聞き間違いをオーバアクションや、多くのウンチクやらそれぞれの心配りやらをノイズにしつつ笑いを生み出す力技が見事。
後半はその30年後の同じ人々という設定。それぞれに成功して再会して30年前の同じ部屋で互いに聞き間違いの恥ずかしい思いをしたという思い出話をするのだけれど、年齢を重ねて記憶は改竄されているし、無かった出来事が追加されてたり、告白した側が告白されたと思ってるし、と記憶をつなぎ合わせて再生(または再現)するけれど、その改竄だらけの出来事は前半をギュッと圧縮しつつ、まったく意味の無い、しかし笑える出来事になるのです。三人とも何をやってるんだと思いつつ、「頑固者たち」というタイトルどおり、謝れないままの終幕は、いい着地点。
ちょっと無茶な設定ではあって、ほぼコントの領域の仕上がり(ええ、長尺のコントも好きですとも)、他の作品はどうなんだろう、という興味が俄然出てしまうのです。
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