【芝居】「service day」スクランブル
2024.6.1 19:30 [CoRich]
もともとは横浜・東京の二拠点での活動をしている劇団らしいのだけれど、わたし的には初めての横浜外での公演。6月2日まで小劇場楽園。90分。
縛りあげられ拷問されている男。殺し屋たちに仕事を割り振っている手配師だった。組織が壊滅させられて、復讐を企てる男女はハードボイルドとプロフェッサーと名乗っている。狭い部屋に次々と集められる人々は、手配師から仕事を割り振られていたそれぞれが殺し屋だが、復讐を企てる二人に牽制され、手配師のトドメをささないとこの部屋から出られないという。しかし、どこか手を下しづらく、押しつけあっている。
ビニルシートで壁を覆い、脚立やパイプ椅子などが無造作に並ぶ部屋。拷問とか殺人とかがおこりそうな、そんな狭い空間のワンシチュエーション。親子三代にわたる殺し屋だったり、カニバリ(人食い)だったり、格闘、車、爆薬、料理、なぜかバスルームといったそれぞれの「殺し屋の持ち味」があって、まあそれが必殺技だったり、なにかのこだわりを持っています。正直にいえば、家族の三人の物語を除いて人々のベクトルが違い過ぎて対立の構造になりづらく、たった二人を残り総掛かりで対抗しないのはなぜか、なぜ彼らの間にこうも長い間の緊張感が持続されるのかという入口で引っかかってしまうワタシです。なにか重大なことを見逃してるのかなぁ。
代わる代わるのそれぞれの持ち味が本人は大真面目なのにどこかコミカルだったり、これだけの悪党どもなのに、子供が人殺しをするのは止めようとしたり、憎めない人々で、やはりこれはコメディであって、ほぼ全員が出突っ張りの90分でちゃんと濃密をつくったり緩めたりの空間をつくるのはたいしたもの。「最高の暇つぶし」をモットーに掲げるとおり、実際のところ観劇あとに何も残さない軽さが持ち味で、もしかしたらそれは(ワタシは観たことないけれど)かつての浅草の軽演劇とよばれたものに近いのかなと思ったり思わなかったり。違うか。
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