【芝居】「夜会行」動物自殺倶楽部
2024.4.28 14:00 [CoRich]
2021年、鵺的での初演作(観劇三昧の配信あり)。今回は赤猫座ちこと高木登の二人ユニット「動物自殺倶楽部」として若手俳優中心のキャスティングで。赤猫座ちこの俳優活動休止前の触れ込みでしたが体調不良のため降板しキャストを変更しての上演。4月28日まで「劇」小劇場。
誕生日パーティに集まる二組のレズビアンカップルと、一人のフリーの女の一幕、という構成。小さなキッチン、テーブル、ソファで小さな部屋でくらす印象が強かったサンモールスタジオでの初演に比べると、ワイドスパンでガラス張り、下手側で階下に玄関、上手側で階上にも部屋という感じでどちらかというと木造一軒家という雰囲気の再演。さらに、コロナ禍真っ只中だった21年は皆がマスク、注意深く消毒、背を向けての乾杯という感じだったけれど、24年の現在を描くようにマスクなど感染症の捉え方がバラバラになっているなど、時間の経過を感じさせます。
今回も物語の一番のテンションとなるのは、別れた男からヨリを戻そうとしつこく掛かってくる電話のシーンで、女性と同棲しているのだといってからの「理解のある」ポリコレしぐさの腹立たしいマッチョイズムの腹立たしさ。いつの間にか舞台に大量に敷かれた風船を、男の言葉を聞いた女たちが一つ一つ割っていく演出は、怒りを風船の破裂音に託すのは象徴的で印象的。「かんしゃく玉」(青空文庫)を思い出すワタシ。音といえば、意図的に多くのノイズが劇中に混ぜられているのは最近の鵺的な感じでもあります。クレジットにも「ノイズ」の記載が。
記憶は薄れているけれど、イラストだけが残り二人がどうなったかについては不穏さを残す印象だった初演にくらべると、新たな画材を手にして先に進む終幕は、少し違う雰囲気を残します。
役名 | 2021.7 鵺的 |
2024.4 動物自殺倶楽部 |
|
新田みどり | 笠島智 | 太田ナツキ | 同性カップル、家主、飲食業 |
近藤笑里 | 福永マリカ | 木下愛華 | 誕生日。同性カップル、イラストを描く |
廣川愛 | ハマカワフミエ | 輝蕗 | 新しい恋を始めた女 |
永井理子 | 青山祥子 | 寺田結美 | その恋人、区役所で福祉の仕事 |
秋元遼子 | 奥野亮子 | 日野あかり | 銀行員、今はフリー |
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