【芝居】「光だと気づいた順に触れる指たち」排気口
2024.3.24 17:00 [CoRich]
未見の劇団です。90分。初日を予約していましたが公演中止となり慌てて千穐楽に滑り込みました。3月24日まで王子小劇場。
末期ホスピス病棟の屋上、若者たち。患者の女、恋心を持つ患者の男、隣の子供病棟からの転院患者、長く入院している熱い先輩の患者、家が金持ちな女の患者。患者の家族や、星空を見る会の為に来たガイド。
若い難病患者たち、ホスピスなのでいつ死んでもおかしくない末期。だけれど若者らしく恋心もあるし、序列をつける気持ちもあるし。患者の家族が外でしている一人暮らし、バイト、合コンといった言葉は彼らには眩しくて羨ましくて。 それゆえに星空を見る会だったり合コンというイベントは彼らにとって一つ一つ重要なのです。初めての経験、やったことがないことが沢山。イベントの為の役割が与えられて誰かの役に立つという経験の薄さはかれらにとってやってみたいことで選ばれる栄誉でもあり。
それなのに、やはりホスピス。元気で生きていたのに突然死んだりすることも現実で、その病室がすぐに空になることも日常。序盤こそズレていても大して面白くない会話でどうなるかと思いながら、中盤から彼らの切実な日常を丁寧に描いていて、それぞれの登場人物が愛おしくなるのです。
子供病棟から移ってきた男は、みんなから見えていたのに父親にしか見えなくなっていくのは唐突ではあるけれど、死してあとも想いが残ることもまた、ありそうな、もしかして日常なのかもしれないと思ったり。
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