【芝居】「死して尚、生きてナオ」二進数
2024.3.2 18:00 [CoRich]
初見の劇団です。120分ほど。3月3日まで王子小劇場。
小中高、それなりに人気者だった。足が早かったり、パソコン部作って頭がよくて、バンドもやって。大学に入った頃、同姓同名の俳優が売れはじめたけど、新歓コンパで「残念な方」と言われてしまう。
小学校の頃の同級生は教師になって同居している。中学校の同級生は保険会社で働いてるが絶望的にダサくて、マッチングアプリ漬けになってる。高校の同級生はワルな感じだったけど精神科医になって心配してくれている。社会人になってイマイチくすぶってる男は、「残念じゃないほうの」俳優と出会い、炎上しがちな日々から逃げたい俳優から代わりに死んでくれないかと言われる。
子供の時は神童とよばれ明るい未来しかないのに、大人になってみれば普通の人どころか、なんか居るんだかいないんだかわからないようなぼんやりした毎日。それぞれの同級生たちはいろいろだけれど、なんか追い越されているような感じがしているという感覚。多かれ少なかれ誰でも子供の頃と大人になって属性が変わるというか、子供に思い描いていた自分の未来とは違う自分になっていて、そこを鬱々とする気持ちがベースになっている物語。
正直にいえば、それぞれの同級生たちの物語をキチンと描こうとしたり、わりとキーポイントになりそうな売れた俳優の存在感がどこか希薄で現実味がなかったりして、どこに焦点を当てて観ていたらいいかわからなくなるところは勿体ない感じ。良く考えたら現実と非現実、幻想が入り乱れるようで、過去はともかく、現在そんな人々がそんな暮らしをしているか怪しい雰囲気、内省してるだけの可能性もあったりするのです。
ほぼ女性や恋愛が出てこないし、いわゆるホモソーシャルはほんの少し、といって同性愛でもない内省的な物語を少人数の男性俳優だけで作り上げるのはけっこう青臭く、陰鬱になりがちだけれど、それで2時間を押し切る胆力、なかなかたいしたものだと思うのです。
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