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2024.03.01

【芝居】「syndicated」theater 045 sydicate

2024.2.10 18:00 [CoRich]

横浜を拠点に活動する theater 045 syndicateが、世人/dasman、鳥を探すの二団体を招聘して集まり(シンジケイティッド)、短編を連続上演する企画公演。2月11日まで神奈川県立青少年センタースタジオHIKARI。120分ほど。

実験のために呼ばれた男。連れてこられた目隠しの男に問題を出し、不正解なら流される電流は増えて行く。監視の隙に二人は知り合いだとわかるが、その後の実験も続く。「アイヒマン・テスト」(世人/dasman)
亡くなった男の妻と娘たち3人、男の弟。家族は温かいが、「黒い水」と名付けられた悪意でミタされる世界を救うために戦っている。末っ子アオは夢で家族に冷たくされる悪夢をみる。「夜の戦いの種族」(鳥を探す)
金に困った同級生3人と、困ってはいないが友情のために加わった計4人の男たちが強盗を計画し、実行の日。それぞれに準備して集まっている。一人はその気満々だが、一人は払うはずだった慰謝料を払わなくて良くなり、一人は工場が売れて金の目処はついた。遅れてきた男は足を骨折しているのに、決行する気合いに溢れている。「Puppy Day Afternoon」(theater 045 syndicate)

ナチスのホロコーストに関与した人物をタイトルに掲げる「アイヒマン〜」。クイズの不正解でボタンを押す男と、それによって電圧がかかり苦しむ男という実験される二人と、それを観察もしくは監視する一人という三人芝居。序盤ではボタンを押すことを躊躇する男。中盤で監視の男が中座する間に知り合いとわかり、ボタンを押している男が負い目を持つ立場だということが明かされます。が、再開された実験、ボタンを押す男はむしろ躊躇無く罰を与えるようになる流れ。実験の後、監視する男はボタンを押していた男からスマートウオッチ風のものを外し、男は嬉々として出て行くけれど、罰を与えられていた男が企んだ実験だったという終幕。明確には示されないけれど、報酬の前に倫理が敗北する絶望と読むワタシです。
正直にいえば、前半が少々長くて、後半はダイナミックに面白いのでもっとキュッと短い尺で見たい気がします。

「夜の戦いの〜」は、ズレる会話の家庭の話かと思うけれど、ちょっと不穏な雰囲気ではじまります。黒い水という悪意が満ちる世界と戦う、恐らくは劣勢なレジスタンス的な家族だけを描きます。何かの重大な仕事をしている家族だけれど、末っ子だけはその戦いに参加していないのは、もちろん家族の思いやりなのです。が、中盤で末っ子は家族たちに冷たくされる悪夢を見るのです。
家族たちと、末っ子の思いのすれ違い。優しさを疎外と感じることのコンパクトに描きます。正直にいえば、物語に対して少々登場人物が多い感じではあるのですが、とはいえ、登場人物を減らすべきなの、物語の密度を上げるか、思いあぐねるのです。

わりとシリアステイストの二作のあとに、狡猾な感じすらある「Puppy〜」は笑い多めで楽しい。 金が無いから強盗でもしないとならなかったオジサンたちと、男気で協力しようとするオジサンの元同級生な男たち四人芝居。銃を手入れしてたり準備万端なのに、それまでの前提だった筈の金が必要ということもなくなって、一人まだ金が必要で頑張ろうという男に、男気だけ威勢のいい男が使い物にならない。さまざまに、ままならない他人を眺めて笑う観客のアタシです。
終盤、強盗を中止しようと金を貸すという申し出に、友達から借金をしないと応じる男、そこに「友達を強盗犯にはしない」という幕切れ(ネタバレゴメン)、同級生というより仲間たちの信じられる距離感がとても心地よいのです。

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