【芝居】「トーキョー奇譚 ~感覚強化産業Vol.2~」Sun-mallstudio P
2024.1.20 14:00 [CoRich]
第一回目が1988年という企画「感覚操作産業」(未見)の第二弾。3団体の企画公演。120分。1月21日までサンモールスタジオ。
ゴミ箱に隠れ集い世間についての議論を交わす女二人。イケメン市長が進める開発計画は風向きがかわり追求を恐れた市長は命を絶ったと思われるが「星降る夜に〜オルタナティブ」(ガマ発動期)
半人前の鬼の女は児童養護施設で暮らす少女と山で出会う。人間を絶望させる課題を課された鬼の女を見守る虫売りは少女に三匹の蟲を渡す。少女は成長し、無職だが新種を探すために山に来た四十歳の独身男と蟲を探し続けている「あの角を曲がりたい女」(TheStoneAgeブライアント)
月着陸した日本人宇宙飛行士たちは月面でかぐや姫を名乗る女と出会う。観測できていなかった小惑星が接近し地球に激突する危機が迫っているが、宇宙飛行士たちには月の一部を破壊し小惑星の軌道を変えるミッションが与えられる「どうする?!かぐや姫」(離風霊船)
「星降る〜」は2009年初演(未見)の初演から秘密結社と刑事の性別を入れ替えたオルタナティブ版という体裁。再開発でヤバい市長と外資系企業の結託の現場へ向かう刑事は捜査だけど、秘密結社はカーチェイスしたりしつつちょいと物見遊山な感じ。果たしてその場で4人は出会い、実は市長は生きていて。正直おおきな話があるというよりは二組の人間たちがそれぞれの目的と任務はこなしつつ、実は時間を潰しているのだと読み解くワタシです。日替わりのゲストも楽しい。
「あの角〜」は事前のチラシでは少女と虫売りを軸として、進むべき道を教える蟲というあらすじなのだけれど、今作は迷ってる鬼の存在も大きく感じるワタシです。児童養護施設で暮らす少女に与えられた蟲、そのおかげかどうか正しく成長した少女。あきらかにダメな雰囲気の無職の四十男との恋心は蟲としては避けさせようとしてるはずだけど、蟲を捨て自分の意思を貫く少女、まさに人が成長して最初は生き抜くためにガイドが必要だけれど、成長したなら怖くても自分で選び取るようにならねばという物語の骨子が強いのです。
鬼を演じたさんなぎが強い印象、ダメ男を演じた熊野善啓は優しく、しかし生き方が下手な造形の人物を好演。
「どうする〜」は月面着陸した宇宙飛行士(SLIMおめでとう、の時事ネタな台詞も楽しい)たち、無茶振りな小惑星回避のためのミッション、三人のうち二人はサイボーグでそのミッションを阻止して人類を滅ぼそうとしている、一人だけの人間は大金持ちの人間というのも、なんかありそうな話。
関西弁の合衆国大統領を演じた岩嵜六大、ニュースキャスターを演じた伊東由美子、あるいは二人の朝ナマな軽妙もたのしく印象的。開幕イキナリ、壁を使って無重力の演出は強い印象を残します。
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