【芝居】「モモンバのくくり罠」iaku
2023.11.25 18:00 [CoRich]
iakuの新作は、山中で猟をして一人で暮らす女とその家族たちのものがたり。110分。トラム、12月3日まで。
山中で猟をして一人暮らしをする女。娘も一緒に暮らしていたが一年程前から山での生活を嫌って町で別居している夫と暮らすようになったが、近所の猟師仲間の友人の息子が動物園勤務で屠体給餌を学ぶために訪れているある日、久しぶりに二人で訪れて話があるのだという。
自分が食べる分だけ仕留める一人暮らしを選び取った女。実際の所は自給自足ではなく夫が光熱費を払い支えて居て、娘はここで育ち猟を覚えたが母の暮らしを選ばずに山を下りている。散々と苦労した挙げ句にたどり着いた夫は、近所の居抜きのバーを若い女にやらせていて、そこに芽生えた恋心を告げようとしているという、若い女に入れあげた男の物語が動くのかと思えばさああらず、それはアッサリとフラれてしまいます。
娘は山で暮らしていたが、その母親が示していた生き方しかないことを嫌う、それは世間の「普通」がわからないからだというのは宗教二世の物語のようでもあります。 山の新鮮な食べ物で育ったがために町の食事が口に合わないという郷愁を原動力に、この場所を再び認め、父親が若い女に任せていた店を居抜きでジビエ料理の店でも開くのだろう、という「町で暮らしながら山とも繋がり、娘を介して家族が繋がる」という着地点は少々トリッキーで無茶に過ぎる気はするけれど、コミカルを交えた軽妙な会話がよどみなく続く終盤の役者たちの力量と相まってねじ伏せるように「観せられて」しまうのはiakuという座組の強みだと感じるワタシです。
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