【芝居】「マイン」チタキヨ
2023.10.21 19:30 [CoRich]
結成10年を超え、4年振りの公演。80分。10月22日までイズモギャラリー。
イラストレーターの仕事が忙しく、ママ友にアシスタントを頼んでいる女。仕事は更に増え、だいぶ稼げるようになってきて税金対策を考えるようになり、同じママ友だった税理士とひさしぶりに会うことにする。
稼いでいるイラストレーターはいろいろ身の回りとか食事とか帳簿が回らない。それをサポートするアシスタントは夫がコロナ禍で心折れて失業していて男が稼ぎ手だという呪縛から逃れられずに扶養の範囲に束縛されていて。税理士の女は離婚をきっかけに一念発起して取得して、という背景と、三人は同じ距離感ではなく、アシスタントの女が仲介するかたちで繋がっていて実はあまりウマがあわないと思っていたりもして、という関係性を提示していく物語の運びが見事なのです。
個人事業主の白色青色申告とか、法人化の流れ、ママ友三人のプロジェクトに。ウマが合わなくてもどこか尊敬していたり、いいなと思っていたりする関係が見えてくるのです。アシスタントの夫は心折れて投資詐欺に遭い妻は混乱していて、ここからお金に困る未来を心配してもっと給料が欲しいという。これまでの苦労に対して、というよりもこのアシスタントが書き続けていたBL小説にどんだけ救われたかに対しての対価を払うということ。作り上げる作品への適切な対価を支払うことの重要さをきちんと。
イラストレータを演じた田中周子はクリエータとしての確かな力と拘りの説得力。 アシスタントを演じた中村貴子は悩みを内包しつつ、後半の収入への不安を訴える場面のパワフルさ。 税理士を演じた高橋恭子はきちんとした知識を持っている人物をしっかりと。
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