【芝居】「夜明け前」オフィスリコ
2023.11.3 19:30 [CoRich]
昭和の事件をを高橋いさをの作で連続上演する企画。2019年初演ですが、ワタシは初見です。11月15日まですみだパークシアター倉。100分ほど。
四歳児の誘拐事件は公開捜査に切り替えられ、脅迫電話の音声が公開されラジオやテレビで耳にした男が自分の兄が犯人ではないかと疑い始める。借金に苦しんでいたはずの兄の金回りが急によくなったことは兄弟たちも、あるいは兄と暮らしている水商売の女も知っているが、犯人となれば自分たちの生活も、あるいは田舎の親もどうなってしまうかが怖くなって、身内以外には言えずに居る。
吉展ちゃん誘拐殺人事件をモチーフに、犯人の側の家族、人々を描きます。金回りが急に良くなった身内が犯人かと疑い、果たしてそれはほぼ確実だけれど、犯人の家族と知れたらどんな目に遭うかわからないゆえにそれを告発できずにいる家族たち。そのあと二年経ってアリバイを崩す刑事の手によって犯人が逮捕されるのですが。
正直に云えば、戯曲の参考文献に挙げられている刑事・平塚八兵衛の著作とwikipediaを引いて史実っぽく描く必要がよく分からないワタシです。主題となる家族の物語を描くなら架空の事件を描けばいいものを、そのとき確実に生きていた人々が告発しなかったことをわざわざ史実みたいにつるし上げてしまう結果に感じてしまうワタシは、作家のある種自覚の無さに怖さを感じるのです。もちろん開演前のアナウンスで史実を元にしたフィクション、とは云っているけれども。
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