【芝居】「静流、白むまで行け」かるがも団地
2023.11.11 17:00 [CoRich]
旗揚げ5周年の劇団。110分。11月11日までスタジオHIKARI。なぜか土曜日千穐楽(日曜日までやってほしい...)
青森に生まれ子供の多い場所で元気に育った女、子供の相手が巧く18歳で上京して幼稚園教諭になったがある出来事をきっかけに転職し、都内を離れ小田原のかまぼこ会社に勤めているが、あんまりデスクワークは得意じゃない。出入りの清掃会社の男も、かつてはアニメや教育番組を作っていたが、書けなくなり逃げてしまい今の仕事をしているがYouTuberのスタッフだったりしてものづくりを諦めていない。
一度は夢破れて別の仕事に就いているけれど、次の一歩を踏み出すまでの物語。若い劇団なので「大人たちの物語」というけれど、ワタシからみれば、実に眩しく見える人々。失敗して思いあぐねたりもするけれど、同じような境遇の人と出会い、話し、考えて先を目指せることこそが若いと云うことだなぁと感じるオジサンのワタシです。
かまぼこ会社の人々、清掃会社の人々、その間をリンクするようにYouTuberや家族、外側に話しを聞いてくれる母親だったり親友だったり。まあまあ人数の居る座組だけれど、くるくると役を変え、子供から大人まで変幻自在になのは彼らの持ち味。意外なほど混乱はしないのも実はちょっと凄いのではないかとおもったりします。
多摩地区を舞台にすることが多い印象の彼らが選んだ小田原という場所。地元から小田急で行ける、流れての最果ての地、というにはあまりに近くこじんまりしているのも、良くも悪くも世代な感じではあって、地に足がついた物語だと思います。この自分たちが立っている場所を中心に描く感じは、ポップで、しかしこれが彼らの年齢と共にどう変わっていくかはとても興味があるワタシで、見続けちゃうんだろうなぁ。
みんながコミュニケーションが上手なわけではなくて不器用な同僚がいたり、あるいはコミュニケーション空回りの同僚がいたりもさまざまだし、BBQは唐突に過ぎる気はしますが、海辺で気楽にBBQできる(小田原市)というのは好きなワタシはちょっと羨ましい。
教諭を辞めた女を演じた土本燈子はここ何作 (1, 2, 3, 4) かを拝見して外れ無し。思ってても口に出せない感じとかもちょっといい。 子供番組を作っていた男をを演じた後関貴大のちょっと影を背負うよう。 バイトをハシゴし、気楽に稼ぐ女を演じた梶川七海の軽快な雰囲気が楽しい。 この劇団の看板といっていいほど印象的なのに「ほか」役しかクレジットされない宮野風紗音、しかし一度観たら忘れない強烈な印象。スーパー店員がいいなぁ。
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