【芝居】「好男子の行方」オフィスリコ
2023.11.3 19:30 [CoRich]
ショーマの高橋いさをが昭和の事件のアナザーストーリーとして近年戯曲発表したり上演したりという演目四本を連続上演する企画。三億円事件で金を奪われた銀行員たちの悲喜こもごものコメディ。2018年初演ですが、ワタシは初見です。100分ほど。11月14日まで、すみだパークシアター倉。
事件の数日後、事情聴取の合間に支店長室に集められた行員たち。現金を輸送していて奪われた四人、支店長と次長、書記として新人。大雨の中の事件、四人はいずれも顔をきちんとは見ていなかったが、警察はモンタージュで手配写真を作るという。銀行の体面もあって、そのことは伏せて、口裏を合わせることにする。色白の好男子という印象にたまたまハマった新人にヘルメットをかぶせて。
三億円事件という大枠を用いながら、記憶のない行員たちというwikipediaにあるような小さな事実ワンアイディアを悲喜こもごものコメディとして。 事件をコメディの体裁として描くものが無いわけではないけれど、なかなか近年では見かけないテイスト。事件そのものはきっかけでしかなくて、行員たちのどたばたと、時効となった七年後の再会という流れを描きます。
良くも悪くも軽薄な語り口は高橋いさをっぽい。三億円事件はわりとシリアスな話しとして捉えるワタシは喜劇としての描き方には違和感をもちつつ、それほど遠くになりにけりという気もします。戯曲の参考文献もわりと刑事・平塚八兵衛の著作だったりして。勝手にパラ定のアレっぽいものを期待してしまった、ということだったりもするのですが。
困り続ける支店長を演じた若杉宏二の真剣の中に出てしまうおかしみ、巻き込まれる新人を演じた銀(しろがね)ゲンタは色白の好男子を体現。同乗者を演じた杉木隆幸のコメディはホントに嬉しいワタシです。初日となったワタシの観た回は取っ組み合いの最中に椅子の脚が折れてたけど、アレはアクシデントなのかしら、何事も無くなにより。
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「朝日のような夕日をつれて 2024」サードステージ(2024.09.08)
- 【芝居】「雑種 小夜の月」あやめ十八番(2024.09.01)
- 【芝居】「ミセスフィクションズのファッションウイーク」Mrs.fictions(2024.08.30)
- 【芝居】「氷は溶けるのか、解けるのか」螺旋階段(2024.08.27)
- 【芝居】「BIRTHDAY」本多劇場グループ(2024.08.20)
コメント