【芝居】「眠り穴」経帷子
2023.10.07 12:30 [CoRich]
まつもと演劇祭にずっと参加を続ける地元の劇団。上土劇場 50分ほど。
40歳になる女、通ってくる男は結婚や旅行をはぐらかす。黒猫とともに真っ暗ななか真っ暗な月に向かって歩く、この迷宮から出られないまま迷っている。突然届いた姿見の中に居るワタシはいい子でいてはダメだと諭してくる。
ほぼ素舞台。40歳で結婚していない女の愚痴めいた話しかと思うとそんなものでは済まない物語。通ってくる男に贈ったピンクのネクタイは駅のゴミ箱で捨てられていたことを知り、更には妻子があることを知り裏切られていたことを知り。後半に至り、この女がベッドに横たわっていて、反応がないまま、死を迎えようとしていて家族たちの目の前で一瞬息を吹き返したのに、家族たちにピンクのネクタイで首を絞められたりという物語が重層的にかさなります。
たった5人の役者だけれど、時に何かの世間の目であったり、通ってくる男であったり、見守っていた家族であったりと鮮やかに切り替わりながら進みます。アングラを現在進行形で作り続ける作家がつくる世界は、アングラなのに私たちの暮らしや生き方と地続きなのだということが沁みるのは、まあ、だいたい同年代だからなのかもしれません。毎年この場所で拝見できることが嬉しくて、通ってしまうのです。
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