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2023.10.26

【芝居】「異邦人の庭」OrgofA(おるおぶえー)

2023.10.08 17:00 [CoRich]

まつもと演劇祭、ワタシの最後の一本。二人芝居70分。上土劇場。戯曲が劇作家協会のアーカイブで公開されています。ワタシは演目、初見。

7人の女を自殺幇助して殺し死刑を宣告された女。殺したときの記憶がなく、その記憶が戻る前に死にたいと思っている。
それまではいつ死刑になるかわからなかった法律が改正されていて、判決後5年以内に希望すれば自ら死刑執行されるようになっている。
女に会いに来た男は、支援者グループに入ったばかりの男が社会派の劇作家であり、その上演も観たことがあることを女は知って面会に応じる。男は取材を目的にしていて、女はそれを受け入れるかわりに結婚することと、上演は自分の死後とすることを条件にする。執行の日を指定するためには両親や配偶者のサインが必要だからだという。

先進国はほぼ死刑制度がなくなりつつあるけれど、改正しながら死刑制度を維持するという芝居といえば、渡辺源四郎商店の「どんとゆけ」 (1, 2, 3) を思い出すワタシです。そういえば婚姻を物語に絡めるのもちょっと似ていますが、物語は全く異なります。

まあまあ広い劇場だけれど、広めの机、アクリルの衝立てを隔てて椅子が2つという拘置所の面接室の設え。女の服はほぼ変わらずそれは空調が効いているからで、対して男は外から来るから装いが変わったりというのが時間の流れを作ります。結婚はしたものの、あくまで仕事の一環で居続ける男、女は少し恋心が見えるよう。

時間が立ってもなびく気配のない男。女はその理由を知ってしまう後半から畳み掛ける圧巻。日本における仇討ちを代替するのが死刑制度の一つのありかた、というのを思い起こさせるのです。この二人がどうなっていくか、分からない終幕も短編らしく物語をスパッと終わらせるのもとても良いです。

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