【芝居】「谷繁2」タテヨコ企画
2023.09.24 15:00 [CoRich]
2019年初演の「谷繁」なる全身緑色のロボット風を題材にまた別の物語を。大阪のあと、9月24日までsancha teatretto、そのあと静岡・白子ノ劇場。
父が亡くなり息子とその妻が片付けに来ている。放置されていた全身緑色の家政婦ロボットは「谷繁」と名乗る。父親の遺言には「すべてを谷繁に譲る」とだけ書いてあり、夫婦は混乱する。
全身緑色のタイツでコミカルに動く谷繁という時点ですでに出オチ感いっぱいなのだけれど、なかなかどうして、一筋縄では行きません。若い頃は酒をずっと飲んでいて止めるようにいっても聞かなかったのに、あまり行き来がなくなって時間が経ち、70歳を過ぎて音楽家として売れ始めたことまでは知っていた息子だけれど、谷繁とがいた事は知らなかったし谷繁と話をするうち、少し未来が見える谷繁に言われて酒をやめたということまで知らなかった、「息子の知らない父親の姿」が徐々に明らかになっていきます。
複数居る家政婦ロボットはみな谷繁を名のり固有名ではないとか、近所の女性と始めたNPO法人の名前もこの「谷繁」で、法人だから遺産が引き継げるとかこまかな描写はをしつつ物語は人情噺のように一段落はするのだけれど、作家はそこにとどまらず、少し未来が見える谷繁が言う「損をしている仮想通貨だが止めたら命に関わる」とか「それまで予約していた美容院をつづけると大変なことがおこる」の釣瓶打ちの終幕は不条理で、落ち着いた落着を許さないのだけれど、80分ほどの短編で笑い、ちょっとほろりとしたりと、実際のところ、彼らがチラシに謳う「落語の人情噺のような不条理劇」を軽い気持ちで楽しむのが吉なのです。
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