【芝居】「SHINE SHOW!」東宝
2023.09.02 [CoRich]
去年秋、小劇場での上演作を、東宝の制作で。4日までシアタークリエ。休憩25分含み、170分。
いわゆる小劇場での枠組みから、何人かは引き継ぎつつメインキャスト陣をいわゆる商業演劇の領域の役者たちに。ワタシはほぼ未見だけれど、いい意味で統制の取れた宝塚ファン含め、女性の観客が圧倒的な客席。
今年4年振りの開催となった新宿三井ビルの名物企画・会社対抗のど自慢大会をモチーフに、さまざまな背景をもつ会社員の出演者たちに振り回されるバックステージのスタッフたちの奮闘を描くのは初演と同じ。登場人物全てを丁寧に描くあまり時間長め、というのもそのままなのはご愛敬だけれど、むしろ商業演劇のスタイルなら合ってる気もします。
記憶力のないワタシでも判る大きな変更は、ラップによる告発の流れで、初演では孫請け会社の社員が元請けの社長に労働環境を告発するというイマドキな感じだったけれど、今作では家庭を顧みなかった会社社長を息子が告発するという親子の物語に。どちらがいいかは判らないけれど、日本の現在を描こうとした初演に比べてより普遍的な物語にしているという気がします(とはいえ、この「現在」はそう簡単に変わらない普遍性があるのも悲しいけれど)。
元アイドルを演じた花乃まりあ、ぶりぶりのコメディエンヌにアイドル曲の圧倒的な盛り上がりの凄み。デスマーチ中のIT会社員を演じた木内健人、おそらくはもっとキリッとした人なのにコメディアンに徹しきるパワー。 管理会社スタッフを演じた朝夏まなとのキリリとした美しく有能なスーツ姿が格好良く、しかし元宝塚のトップに音痴設定を突き通す潔さは凄いけれど、勿体なすぎないか。プロポーズしたい男を演じた中川晃教の小物人物な造形と歌声のギャップ、告発を仕掛ける男を演じた増本尚とその父親を演じた石坂勇のラップバトルの迫力(客席がヒップホップのレスポンスになれてないのは相変わらず、勿体ないけれど)。 警備員を演じた淺越岳人、MCを演じた鹿島ゆきこ、広告代理店を演じた伊藤圭太、有能すぎるアルバイトスタッフを演じた前田友里子、ゲストを演じた山下雷舞、ライターを演じた三原一太(役は違うけれど)、小劇場から引き続き出演する役者たちのフックアップも楽しいし、きっちり渡り合って嬉しくて。
役名 | 2022.9 アガリスクエンターテイメント |
2023.8-9 東宝 |
|
鈴本真紀 | 熊谷有芳 | 朝夏まなと | ビル管理会社中堅社員 |
加瀬貴久 | 古谷蓮 | 小越勇輝 | ビル管理会社新人 |
琴浦あかね | 美里朝希 | 花乃まりあ | 元アイドルのOL |
鐘巻良雄 | 三原一太 | 木内健人 | システム開発会社 デスマーチ中 |
定岡敏律 | 北川竜二 | 石坂勇 | VIP |
音尾圭介 | 平田純哉 | 増本尚 | ラップでのディス |
小出由梨 | ハマカワフミエ | 柳美稀 | 和歌山の交際相手 |
笛木里穂 | 大和田あずさ | 栗原沙也加 | Vtuberの人 |
山田しゅんいち | 斉藤コータ | 西村直人 | MC |
弦田継俊 | 中田顕史郎 | 久ヶ沢徹 | 証券会社支社長 |
和歌山翔 | 鍛治本大樹 | 中川晃教 | プロポーズしたい |
真嶋隆詞 | 笹井雄吾 | 斉藤コータ | 元カレ |
浅見保 | 淺越岳人 | ← | 警備員 |
秋野仁美 | 前田友里子 | ← | 証券会社、のど自慢好き、スタッフにも入ってる |
黒川義人 | 伊藤圭太 | ← | 広告代理店の人 |
彩木みどり | 鹿島ゆきこ | ← | MC |
多田ちひろ | 榎並夕起 | テレビ局アナウンサー | |
井荻剛 | 矢吹ジャンプ | 矢吹ジャンプ →三原一太 |
フリーライター |
大島しげお | 山下雷舞 | ← | ゲスト |
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