【芝居】「アンカー」フル盛りピンチヒッター
2023.09.18 16:30 [CoRich]
初見の劇団。135分ほど。9月18日までシアターシャイン。
公園でストリートミュージシャンが演奏している。その前を人々が通りかかる。
同窓会で売れない芸人であることをいじられた男、帰宅途中の公園で現れたのはかつての相方だった「ふたり話し」
自分を犬だと言い張るオーバーオール姿のおじさんに追いかけられている男。気になる女が居るが告白できないと悩んでいる「首輪のありか」
劇団公演、千穐楽前にクラスタ発生で閉演が決まる。SNSで投げつけられる心ない言葉に傷つく劇団員たちだが、観客の声はそれだけではない「ダイヤモンド」
ストリートミュージシャンの歌を挟みながら短編3編。「ふたり〜」はピン芸人を続ける男の亡くなった漫才の相方との5年ぶりの対話というか一人語りというか。もしかしたら夢だったかもしれない対話、二人で開けた缶チューハイの空き缶が残っていることが、実際に起こったファンタジーだったかもしれないという余韻を残します。 「首輪〜」は犬だと言い張るオジサンの登場が半ば出落ちみたいなところはあるのだけれど、そのパワフルな瞬発力で走りきりながら、告白できない男を後押しして、どこか爽やかさすら感じさせる着地。好きであることを全身で相手に伝えることが全てで、好きから先をなんとかしたいというある種の欲望は面倒だから、といいきるのがなんかね、青少年ならともかく、オジサンがてらい無く言い切るのがすごい。 「ダイヤモンド」は恐らくは多くの演劇関係者が経験したであろうコロナ禍での公演のリスク。千穐楽を迎えられなかったモヤモヤを抱え、この劇団に参加することになった劇団員たちの、それぞれのこれまでと想いをギターと共に。SNSの心ない誹謗中傷の中、劇場主がくれたのは感染したけれど劇団を応援する客の優しいメッセージというダイヤモンドなのです。
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