【芝居】「曲者 -The Quare Fellow-」演劇企画CaL
2023.09.18 13:00 [CoRich]
アイルランド演劇の上演を謳う、ワタシは初見の劇団、力強い物語が魅力。105分。9月18日まで北千住BUoY。
アイルランド・ダブリンの刑務所。「曲者」と呼ばれる男が処刑される前日、受刑者も看守も出入りする人々もざわつき、落ち着かない。何度も刑に服す老人たち、法務局から派遣される紳士、同じ日に出所する男、頼りにされる職員。夜半になりイングランドから執行人がやってくる。
刑務所にいる人々にも当然ある「日常」に、死刑というイベントでざわつく人々を描きます。ここに居るだけの人だったり、何かを変えたいと思っている人だったり、業務としてここに居る人だったり。そのざわつく落ちつかない気持ちは受刑者職員を問わず伝播していて、なにか些細なことが諍いになりそうだったりと刑務所ゆえの不穏さ。群像劇としての力が凄くて、それをこの小さな空間で濃密に造り出す力。翻訳戯曲よりは今の日本の作家の戯曲を選びがちなワタシだけれど、海外にだって魅力的な戯曲は溢れているのだという当たり前のことにいまさら気付くワタシです。
若い頃から観ている村岡正喜(Not in service , 1, 2, 3) が演出であることをたまたま知ったから見た芝居だけど、いやはや、なんか凄いものを見せて貰った嬉しさなのです。あれからもう15年も、とか思ったり。
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