【芝居】「ホテル・ミラクル The filnal(R)」feblabo × シアターミラクルP
2023.06.18 18:00 [CoRich]
シアターミラクルの最終公演。2バージョンのうち、REST(ご休憩)版。
男女、シャワールームで交わす焦らし合いのような前説「おし問答」。
親しい女二人。一人は議員の娘でお嬢様。失恋し職場の先輩の男とホテルへ行った話を聞かせている相手の女が自分に恋心を持っていたり、その男とセフレだったりということは知らない「シェヘラザード」
いい歳の独身男女、秘密にしている社内恋愛だが、セックスレスで結婚が見えない女の不満。冷静に話すために部下の男を読んで話を聞いてもらうといいだす男、金さえ払えば口は固いし、問題解決能力もあるという「よるをこめて」
レズビアン風俗だが不慣れな嬢は人間を愛したことがないとまで言う。客はそれを慰める「きゅうじっぷんさんまんえん」
酔い潰れた女と一夜を過ごした男。別の男と結婚を決めた女は男のことが好きだった。男は女の結婚を先に聞かされ知っていた「グリーブランド」
巨大生物襲来をきっかけに女を口説きホテルで過ごすことになった女。女にはその気はなかったが、50男の三股の三番目といわれたり、巨大生物が来たりしてなにかの気の迷いで。怪獣が迫りくる中、元カレからの電話で呼び出されれば、女はそちらを選んでしまうし「獣、あるいは、近付くのが早過ぎる」
私の見る順番は逆になってしまいましたが、REST→STAYの順番が想定されてるように思えます。とはいえ、まあどちらでも大丈夫なオムニバス。新作旧作とりまぜて、2人もしくは3人、欲望の駆け引きなどさまざまなバリエーションで作り続けてきたオムニバスシリーズもいよいよ。
「シェヘラザード」は同性愛的な愛情を口に出せない片思い、それぞれにワンナイトラブだったりセフレだったりと男と寝たりしていることを話せるぐらいのある種の奔放さの似たもの同士でもあって。女二人が「姉妹」(しかし下品だね、この言い方。劇中に出てくることばではありませんが)であり、肉体的な快楽と、ある種の愛情とがきれいな三角関係になっているちょっとしたドキドキと。
「よるを〜」はいい歳、セックスレスなカップルの諍いまではバリエーションさまざまあれどよくあるシチュエーション。それを「金で解決する口の固い男」という異物を、しかも三人とも同じ会社の中という関係性で放り込むことで生まれるコメディ。「子作りのためのセックスなら」みたいな不用意な男の一言と、それを受け絶望的な気持ちになる女など、わりとシリアスなことも入れ込みつつも、あくまでもコミカルで見やすく。
「きゅうじっぷん〜」は「人間を愛することができない」とまで言い切る卑屈で自己評価低すぎる嬢と、結婚を決めた最近になってレズビアン風俗に通ってしまう客の女と。どちらも溢れる思いを大量のセリフで吐き出すのが圧巻なのは変わらず、そんな二人がここでしばしの時間を過ごせるということ、実は何も解決してないけれど、しばしの時間が何かを変えてくれそうな気もする愛おしい時間。
「クリーブ〜」は、明確には語られないけれど、男はゲイで恋人と喧嘩していて、そんな男への恋心を言い出せない女、その想いを気づいていても応えない男。初演のときに「結婚」の要素があったっけなと思ったりする程度に記憶力がザルな私だけど、結果的にこちらも同性愛を交えた三角関係な感じではあって、似た感じなものが並んでしまったという感は否めませんが、仲直りに前向きな終幕は希望でもあって。
「獣〜」は迫りくる巨大生物と、欲望のままに女ににじり寄る男がなんか相似形で、その距離感の詰め方のおかしさがコミカルで楽しく。
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