【芝居】「空に菜の花、地に鉞」渡辺源四郎商店
2023.5.6 14:00 [CoRich]
渡辺源四郎商店の新作、戦争を考える2作品連続上演としてのひとつめは鉞(まさかり)の形の半島の付け根にある町をめぐる物語。5月5日までザ・スズナリ。70分。
東北、半島の付け根にある核燃料サイクル施設、新人として採用された男は、実は独裁者の国から工作員として弾道ミサイルを原子力施設に誘導すべく送り込まれた改造人間だったが、PR施設で働く娘に恋をする。
マサカリを思わせる形の下北半島の付け根、六ケ所村や横浜町を思わせる核燃料サイクル施設や菜の花畑を散りばめ、原子力発電と核燃料サイクルと北からの脅威に巻き込まれ直面させられている青森の当事者のシリアスなことを語っているのに、笑いにあふれる語り口で、たくさんのサブカル的パロディも織り込んだエンタメなのです。
北の独裁国から送り込まれ核施設を狙う弾道ミサイル誘導のための改造人間と、PR施設の娘の恋物語ゆえに飛んでくるミサイルを菜の花畑を超えた別の場所に誘導する物語はどこかジュブナイルSFのようでもあるシンプルで美しい物語。よく考えたら風を感じる改造人間にイカ人間ってことは、ああそうかライダーか。
キャストは日替わりの配置で、ワタシの見た5月5日昼。
青年を演じた松尾健司の爽やかでちょっと情けない感じの主人公感。将軍様を演じた工藤良平はあんなに酷いことをするのに、実にコミカルで、B級コメディ映画の独裁官のようなぶっとび具合。この街で育った最後の反対派を演じた三津谷友香は人見知りな感じに秘めるパワフルな造形。ガイドを演じた木村慧はヒロインをしっかり。もうベテラン勢側ともいえる山上由美子、音喜多咲子は脇でしっかり支え、安心感。
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