【芝居】「鉄音、轟然。」M2
2023.3.12 14:00 [CoRich]
成田闘争を若い世代が描きます。90分。3月12日まで、神奈川県立青少年センター スタジオHIKARI。
女性記者が三里塚闘争に参加していた男を訪れる。あの頃のこと。
降って湧いた国策としての国際空港の話。農民は土地を守るために立ち上がるが、切り崩しの条件闘争で土地を手放すものが続出するなか、
満足な教育も受けずにの場所で暮らす老婆のまわりに人が集まり、闘争の拠点の一つとなっていく。
闘争の現場、鉄パイプを組み上げた塔を舞台背面に。未だ続いてはいるけれど、あの頃の熱狂は遠くなった時代から、あの時代を見つめる物語。国と土地を守りたい農民という基本の構図、条件闘争による引き剥がし、あるいは他から来る運動家たちもさまざま。徐々に一人の老婆にピントが合っていく過程のゾクゾクとする感じ。隣の県立図書館で調べたって出てくる、大木よねという実在の人物(たとえば)。さまざまな人が彼女の人柄に惚れ酒を酌み交わし、その場で「(運動も含め)暮らしてきた」ことがわかります。
現在から見つめる二人、女は父親が国労の活動家で、元は成田闘争の一員だった男は、警官に死者が出たことで妹から諭されるように活動から離れたという立場で、微妙に当事者とは距離のある感じが巧いのです。
老婆を演じた内海詩野を初めて拝見してからもう随分経って、しかも久しぶり( 1, 2, 3, 4)。 巧い役者だとは思っていましたが、この迫力、土の上で生きているという力強さ。 面倒を見るような若い男を演じた中根道治と、かみ合うようなかみ合わないような、しかし日々を暮らしているということがしっかり判る二人のシーンが実によいのです。
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