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2023.03.12

【芝居】「Bug」serial number

2023.2.19 16:30 [CoRich]

去年11月に予定されていた公演が(クオリティを理由として)中止となり、キャストを一新しての上演。2月19日までサンモールスタジオ。120分。

パーティに行く女友達が男を連れてきた。男はパーティに行かず、この家にとどまる。女の元夫が仮釈放で出てきて来ることに怯えている女は男を泊めるが何事もなく一夜をすごす。果たして、元夫が現れ暴力をふるい、金を持って出ていく。戻ってきた男にここに居てほしいと願い、暮らし始めるが、男が虫に刺されたと騒ぎ出すが、女友達には見えていないし、連れて行かれた医師は自傷と診断するが、一緒に暮らす女は殺虫剤、殺虫灯などを持ち込む男と暮らし続ける。男は軍隊にいて研究で人をコントロールする機械を受け付けられ、それが虫になのだという。女には息子が居たが、9年前に突然消えたのは、軍の研究でその息子から虫を作ったのだという。医者を名乗る男を指して殺してしまうが、このままでは人類が危機を迎えると考えた二人はガソリンを撒き、火を放つ。

偶然に出会った男女、女は元夫の暴力から身を護るために男を必要とし、男に絡め取られるようにいわゆる陰謀論に堕ちていく物語。息子の体から作られた虫という荒唐無稽をそれまでの会話から巧みに組み立てたり、自分は軍隊からのというそれっぽい話だったり。ふたりきりの部屋の中はエコーチェンバーのように互いに作り上げていく二人の「物語」は共鳴を超えてハウリングを起こす終盤は単なる観客であるはずのワタシすら気が狂いそうになる圧巻なのです。

医師と称して訪れる男は刺されて死んでいるのに、ずっとガムを噛み続けているのが本当に違和感があるのだけれど、この演出家が意図せずそれを描くわけはなく、理由を考えるワタシです。これは(悪)夢なのか、時間軸が狂っているのか。終幕を観ていて気が狂いそうになるワタシに正気を保たせてくれたのは、この綻びに見える一点があったから、と考えたり、つらつらと。

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