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2023.02.04

【芝居】「呪いならいいのに」たすいち

2023.1.21 18:00 [CoRich]

2017年初演作の再演。ワタシは初見です。1月22日まで上野ストアハウス。90分。

呪いを解きたくて旅をする呪術師の男とその一行。ある町でであったのは、幸せに暮らすごく普通に見える家族だったが、その家族はどんどん増えているのだという。姉を探している男は、行方不明の姉がこの家の家族の末っ子として暮らしていることを知る。この家の隣人はかつてこの家に住んででいた親友を心配している。

家族が増え続ける家と、呪術師なのに呪いにかかっている男と女と犬の一行、姉を探す弟と思いを寄せる生霊の女、という3つの要素で進む物語。増殖する家族というフックはホラーっぽく、人数も多くコミカル要素もあるし、家族となる呪い、という異型なるホームドラマという面白さはあるのだけれど、正直にいえば家族の人数、隣人や飼い猫と野良猫など要素が多すぎる感はあって、ちょっとガチャガチャしていると感じるワタシです。小劇場の迫力という点ではもちろんその源泉になっているとはおもうけれど。

物語そのものの力という意味では、旅する呪術師たち3人が印象に残るワタシです。おそらくは呪術師という解決策のために導入されたであろう役だと想像しますが、交通事故で死を覚悟した恋人がかけたのは、他の誰かとしあわせになってほしいがための「恋人への想いがある限り幸せになれない」という呪いで、対して恋人を失った男が自分にかけたのは「死んでしまうこの女を失ってしまうと幸せになれない」というある種の「賢者の贈り物」な関係をもった二人と、共に旅をする犬(にされる呪いをかけられた人間)というパーティのあり方の人物たちの造形の細やかさも含めて実にいいのです。

劇団twitterアカウントが秀逸で、衣装をつけた役者の写真と役名、その役者扱いの予約アカウントを紹介するのがとてもいいのです。当日パンフだけでは思い出せない役があっても、衣装とかどんな人物だったかを一緒に見られるのはありがたいワタシです。

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