【芝居】「エゴ/エバ」酔ひどれ船
2023.1.7 18:00 [CoRich]
西嶋咲紀による個人企画による「企み事」の二回目。ワタシは初見の劇団です。1月9日まで、絵空箱。80分。
三人姉妹の長女と三女は両親がおらず、叔父が同居している。長女と同じ介護施設で働く叔父は、ある日出勤を渋るが理由を答えない。次女は家を出ていた次女が帰ってくる。
絵空箱のバーカウンター側を舞台に、ダイニングキッチンのカウンターを模した形は珍しい。まだ三人とも結婚していないと思われる三人姉妹、介護施設で働き生真面目な長女、次女は家を出ていて、会社勤めをしているが水商売もしていてある日酔ってこの家に戻ってくる。三女は仕事はしているらしいけれど、パソコンばかりしているという造形。
三人姉妹がそれぞれの生き方を模索しながら生きている、という家族の物語。親は居なくなっていて叔父さんが同居しているという設定は三人姉妹と叔父さんの距離感がうまく醸される設定で巧い。長女が恋心を抱いている同僚から叔父さんがいじめられている、というのが物語の幹になるけれど、正直に云えばこの一つの幹が三人姉妹全体には波及せず、それぞれの悩みや考え方を持っている、ということにとどまるのは惜しい感じがします。
居なくなった母親の不倫や水商売が許せないという三女を軸にのもう一つ物語。次女が三人とも子供を育てていないと指摘するのは水商売をダブルワークでやっているがために見えるという視点で、あるいはもう少しそもそも年上だったから母親の生き方に寄り添うような対比軸になっていて、それゆえに三女もかつて母親が学校に呼び出されたあとに、パピコを分けてくれた思い出が蘇ったりと距離感の変化がここからの前向きを予感させるのです。
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