【芝居】「親の顔が見たい」麦の会
2022.11.5 14:00 [CoRich]
横浜の劇団・麦の会の本公演。115分。にぎわい座・のげシャーレ。
渡辺源四郎商店の畑澤聖悟の手による今作、初演となる 昴ザ・サードステージ版、 作家自身の劇団・渡辺源四郎商店版を拝見していますが、茶道部の部室という和室設定は初めて。クリスチャンの学校、と思い込んでたけどそうでもなく。あまり広くない舞台ゆえか、役者たちは対面して会話するのではなくて、みな客席を向いてという映像のようなスタイル、少々戸惑いますが、すぐに慣れますし、それほど大きな問題ではありません。
2時間ほどの上演時間ですが、換気か観客への配慮か休憩を入れています。休憩後には、今どきの子供たちの難読名の読み上げたりの小コーナーを入れて、大衆芸能風味があるのは、「にぎわい座」という場所の雰囲気を組み込んでいるとも言えます。
戯曲自体が持つ確かな力はそのまま。まさか自分の子供が、から始まり、次々と現れる証拠の「手紙」に右往左往する父母たち。いよいよイジメは本当にあったのだと逃げ場がなくなるとどう隠蔽するか、に興味が向いたりして。手紙が次々現れるのも巧いし、別の学校の教諭夫妻が父母としてこの場にいることで「一般的にはどうなのか」ということだったり、この学校の教師の立場からの台詞にはしづらい「生徒は本当のことを言いません」という端的な台詞を置くなど、見やすく、緻密です。 それでも親が子供を悪いことをすれば叱り、立ち直ることを信じることなのだという物語の本当に太い幹は力強く、子供のいないワタシにだって響くのです。
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