【芝居】「YOKOHAMA Short Stories」Ukiyo Hotel Project
2022.10.29 14:00 [CoRich]
横浜・元町から少し上がったところにある「クリフサイド」(wikipedia)の取り壊しを知った作家・河田唱子が描き続ける横浜の風俗 (1, 2, 3, 4)の一区切りとなりそうな集大成。 様々な史実を調べ上げ、創作を混ぜ込みながらの物語は生バンドをいれて。10月30日まで。120分。
横浜駅の崎陽軒のホームで弁当の売り子と、関西の野球選手の初心な恋「シウマイ・ガール」
終戦後、ホテル・ニューグランドでマッカーサーを迎える若いスタッフと支配人。「マッカーサーズ・スイートにて」
クリフサイドに集まる人々、設計した中村順平ももちろん居る。「クリフサイド」
横浜にあった撮影所に呼ばれた有名な作家の物語を、女たちが「谷崎潤一郎・ザ・ミュージカル」
横浜中華街で作られていたピアノ、戦火の中出逢った少女と青年。「周ピアノ」
横浜に住んでいても、じっさいのところ大人になるまでは桜木町には行っても青少年センターぐらいで野毛にも黄金町にも足を踏み入れたこともなく、中華街にも行ったことなかったしというワタシです、当然クリフサイドという場所があることはTVKの公演CMで知っては居たけど、どこにあるのやら、なワタシです。なるほどなかなかの場所、隣のトンネルは昔からあったのかしら、なるほど崖(Cliff)の横だなぁと思って入場前から思いを馳せての入場。
開場中は役者たちが手を振ったり、案内したり、写真撮ったり。始まればちゃんとバンドの生演奏、広いステージをさまざまに使いあっという間の華やかな空間を走りきります。
「シウマイ〜」は今では無くなった横浜駅ホームの弁当の売り子と怪我をしたりする野球選手の、しかし恋模様がホントに甘酸っぱく二人とも可愛らしく描きます。売り子を演じた、かとう唯の魅力一杯でのスタートダッシュ。
「マッカーサーズ〜」はニューグランド315号室の物語を男二人が歌い上げるJazzの数々。戦争に負け、不安な気持ちもありつつ、客人としてきちんともてなそうとするホテルスタッフとしての矜恃、そして覚えて居てくれたと報われる気持ちがワタシまで嬉しく。支配人を演じた(ジジイにしか見えないのにw)小西のりゆき、若いスタッフを演じた岡本悠紀二人ともの声量の凄み。マイクのトラブルも止めずに走りきるのです。
「クリフサイド」はこの場所はこういう場所だという成り立ちの物語。華やかなこの場所を作り、集っていた人々に思いを馳せるのです。
「谷崎潤一郎〜」は谷崎潤一郎の酷さを女三人が断罪する物語。過去のその時代は許されていたことを現在の価値観で断罪するという難しい物語を華やかに軽やかに描きながらも、抑えるべき所は抑えるという作家の腕力にねじ伏せられるワタシです。横浜に撮影所があったなんて知らなかったなぁ。
「周ピアノ」戦火の中ピアノを運ぼうとする少女、と知り合いピアノを救う青年。横浜でピアノが作られていたということも知らなかったワタシです。戦後になれば自由に演奏できる嬉しさのハッピーエンドが綺麗に決まるのです。
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