【芝居】「そして、 私たちは咀嚼できない音をただ並べた。」作田令子×神戸カナ
2022.10.15 18:00 [CoRich]
60分 芸術館小ホール。土曜は一人芝居。初日に観るのは叶わなかったけれど、金曜、土曜にそれぞれの役者の一人芝居で、千穐楽の日曜14時は二人芝居で構成。
境遇が似ていると感じている二人、一人は父親が妾と出ていき、残された母親と二人での生活の息苦しさ。母親を売女とまで。あるいはもう一人、月のように潔白で気高くてしかし彼女は死んでしまう。
舞台の上にさまざに並べられたモノの間を歩きながら、他の人の言葉は字幕だったりスタッフが発声していたりという感じでの一人芝居。なるほど、一つの物語を片側ずつ上演し、最後に答え合わせのように二人芝居として全体で3ステージ。演劇祭ゆえに、何回でも観られるパスポートで、しかもキャパに余裕がある芸術館だからこその企画の面白さ。住んでいたら全ステージ通っちゃっただろうなぁ。
魂は一つ、二人が一つになるという気持ちをお互いに持ついわゆるソウルメイトの高校生二人、電車の事故で亡くなった友人と入れ替わってそのあと長く生きてきた女が取り調べられての一人語りという感じ。母親との同居に耐えられず、憧れた彼女の側にも自殺するだけの理由はあったけれど、そちら側を選びとるジャンプをポップに描くのです。
正直にいえば、くるくると入れ替わるように進む物語、どちらの視点で描かれているのかの視座が決めづらくて複雑に感じてしまうワタシ、観劇力の低下もしくは老化を感じてしまったりもして。字幕とセリフが語尾のような些細な不一致でも引っかかってしまうのも積もるとストレスに感じるのもワタシの体力がないからか。
とはいえ、なるほどこのアイデア、しかも「同じステージは一つもない」を正面突破する勇気とある種の無謀さがとてもよくて、眩しくも感じてしまうワタシです。
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