【芝居】「Four Seasons 四季 2022」フライングステージ
2022.11.5 19:30 [CoRich]
フライングステージの新作ですが、2003年初演(未見)作の登場人物たちと世界が20年を経てどう変わっていったかを描く90分。OFF OFF シアター。
ゲイの男たちが住むアパート。入居者の一人が亡くなり、故郷の兄が骨をすぐに引き取ってしまい、ゲイの友人たちは葬式に参加することもかなわない。身内たちからは縁遠い生活をしていたのに。 亡くなったおとこはそれまでに、友人たちに同性パートナーシップ協定を持ちかけ、何人かには断られ、しかしそのうちの一人とはパートナーとしての届け出をしていたし、散骨を考えて下見を兼ねてみんなで海にでかけたりもしていた。 アパートのオーナーはゲイたちが年老いても暮らしていけるようにと思っていていたが、新しい入居者を入れることには消極的で、取り壊して隣接地で勤務先でもあるケアハウスの拡充を考えているし、入居者たちもそれぞれ、転勤や家族の介護でここを出ていくことを考えているタイミングになっている。 男が亡くなって一年、このアパートの庭に集まる人々。
決して若くはない男(ゲイ)たちのものがたり。いわゆるBL的な恋心だけで生きていられるわけもなく、独り身であること、家族との隔絶、生きていくための、あるいはある種の安心のためのパートナー探しだったり、マイノリティが集まって暮らす安心感を夢見ること、家族の介護、キャリアアップによる生活の変化。人生をスタンドバイミーしているというか、長い道を歩いている人々の姿を四季を通じて細やかに描くのです。
一人が亡くなるところからスタートして、現在を演じる役者たちはそのまま、亡くなったその人物が登場すれば回想だという演出は、繰り返し使っても実にスムーズなシーンの変化で見やすくてスマートなのです。ゲイが住めるようにと考えたアパートの庭、かつては多くの人が集っていたコミュニティが年齢とコロナ禍でしぼんでいく感じはワタシにとってもリアルな感覚で現在を解像度高く描く感じ。しかも、これらのシーンをすべて役者以外には木目そのままの椅子が五脚というだけの実にシンプルな舞台で、部屋もクルマもあるいは庭までも自在にポータブルに作り出す確かなチカラ。
亡くなった弟との間に世間体を気にして拒絶すら感じていた距離を、しかし一年をかけて自分の中の僻みのような感情に向き合い受け入れていく兄という二役を演じた中嶌聡が雰囲気の違う二人のコントラスト。 アパートの大家を演じた関根信一のナチュラルにおじさんな年齢の生活者という造型がとても繊細に良いのです。
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