【芝居】「桜レクイエム」経帷子
2022.10.15 16:30 [CoRich]
まつもと演劇祭に連続で出ている地元の老舗劇団、ワタシがこの上土劇場で拝見するのは初めてです。60分。
紙芝居を持って旅をする芸人ふたり、紙芝居の最後の一枚が無くなっている。その一枚は丘に咲く桜の木の下にあるか。墓を掘る二人は亡骸に桜の種を添えて埋めている。
ワタシの年代にとって懐かしい、というわけではない風景なのだけれど、ヒトが長く生きていれば持っているであろう追憶、欠損などさまざまな感情をいわゆるアングラ風味に描く持ち味。旅芸人の夫婦、かつての仲間だった男たちとの旅回りの一座の思い出。夢見るさくら咲く丘、夢のように取り止めなく、あるいは彼岸の向こう側にいる知り合いを思い出し、自分もやがてそちら側へ行くのだという感覚は年齢を重ねた作演だからこその味わいで、あまり違わない年代のワタシにも響くのです。
今作、たった四人でこの劇場の空間を埋めます。シンプルな物語ゆえに役者たちのチカラが支えるのです。演劇祭を何年か観ていると、松本市街地のさまざまな場所を自在に使いこなす底力はさすがだと舌を巻くワタシです。
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